森友学園問題は「アッキード事件」ではない 政治家の関与を冷静に分析する必要がある
3月11日に籠池氏から近畿財務局に「今朝一方的に本省に行く旨電話があった」との記載がある。理由は、前年の土壌改良工事について近畿財務局から業者に対する「不当な提案があった」ため、それに籠池氏が納得しなかったからだ。とりあえず14日に近畿財務局で話し合いが持たれたが、籠池氏は納得せずに15日に上京し、財務省を訪れている。
ではその「不当な提案」とは何なのか。それは2015年9月4日に近畿財務局9階の会議室で、近畿財務局と大阪航空局の担当者が森友学園側の業者と話し合った内容だ。
「現状、お断りします」
森友問題を追及する民進党の福島伸享衆院議員は、この内容についてこう明かす。
「森友学園側はゴミ撤去費用を土地の価格よりも高額に見積もり、土地をタダ同然に取得しようとしていた。近畿財務局は処理費用が高額になるのなら、土地を売却しないという方針だった。『不当な提案』とはそのことを意味する」
すなわち籠池氏は要求に応じようとしない近畿財務局を飛び越えて財務省と直接交渉し、ゴミ処理代を8億1900万円とする内諾を得て、24日に用地購入の意思表示をしたというのだ。
鴻池事務所は籠池氏から本省へのアポとり等を頼まれたため、その記録が残された。この時、鴻池氏の秘書はこう付け加えている。
「※現状、お断りします」
君子危うきに近寄らず。本来、政治家およびその関係者は、そうでなければならない。
とはいえ、鴻池氏は籠池氏が経営する幼稚園を訪れるなど、蜜月ともいえる関係だったのは事実。何も関与していなかったかのように振る舞っているが、その果たした役割と”責任”は決して小さいものではないだろう。
そして「アッキード事件」という言葉がツイッター上で広がりを見せる中で、まるで昭恵夫人個人が犯したミスであって安倍首相本人は免責されるかのような言説が広がりつつあることにも違和感を覚えざるを得ない。まずは籠池氏自身を国会に参考人招致し、当事者からみた学校建設問題の全貌を詳らかにしていく必要がある。
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