金正男氏暗殺は「従来作戦」とは異なる手口だ 「偵察総局」と呼ばれる謎の機関の犯行か?

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マッデン氏は、北朝鮮の情報機関には「50年の歴史があり、機関・作戦に関する膨大な蓄積がある」と語る。「こうした人々は、厳しく無情なスパイ組織のリーダーや作戦指揮官のもとで学んでいる」

現在の北朝鮮スパイたちは、「北朝鮮情報機関の創設者たちから見て第2世代、第3世代に当たる」と同氏は言う。

しかし、金正男氏暗殺の実行犯とされているベトナム国籍やインドネシア国籍の女性たちのような外国人の手先を利用することは、北朝鮮による作戦の常道からは外れている。

1987年、北朝鮮の工作員だった金賢姫(キム・ヒョンヒ)が大韓航空858便に爆弾を仕掛け、ベンガル湾上空での爆発により乗客乗員115人全員が死亡した。

1本の煙草に少量の黒インクで印

逮捕された金賢姫は韓国に引き渡され、その後謝罪して、軍事スパイとしての訓練の詳細を、1993年の回想録「Tears of my Soul」で暴露した。

金賢姫・元死刑囚はその回想録で、任務に向けて出発する際に、見たところ通常の「マルボロ」に見えるタバコを1箱渡されたと書いている。1本の煙草に少量の黒インクで印が付けてあり、ここを噛めば即死するようになっていたという。

逮捕されたときにこの煙草を噛んだが、仕込まれたシアン化合物による自害には失敗した。彼女は回想録で、北朝鮮建国時の指導者の名を挙げ、「金日成の忠実な娘として、従順な犬のように訓練された私は、この瞬間に死んだ」と書いている。大韓航空機爆破については、故金日成国家主席から直筆の命令書を渡されたという。

金日成主席は、殺害された金正男氏、現指導者の金正恩氏の祖父に当たる。

(執筆:James Pearson and Jack Kim、翻訳:エァクレーレン)

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