スズキ「新型ワゴンR」の高すぎる販売目標 月間1.6万台を本当に達成できるのか

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4年半ぶりにフルモデルチェンジしたスズキの「ワゴンR」(撮影:尾形文繁)

初代から数えて6代目の「ワゴンR」

スズキが主力の軽自動車「ワゴンR」を2月1日にフルモデルチェンジ(全面改良)した。

1993年登場の初代から数えて6代目。4年半ぶりに新型へ切り替わったワゴンRは3つの異なる顔つきをそろえ、発進時にモーターのみで走行できるマイルド・ハイブリッド・システムを搭載したほか、新型プラットフォーム(車台)の採用で20キログラムの軽量化を実現し、燃費は最も良いモデルでガソリン1リットル当たり33.4キロメートルを達成した。歴代モデルに負けない意欲作となっている。

一方、スズキが掲げた新型ワゴンRの月間販売目標に筆者は驚いた。発表時のニュースリリースに太字で記載してあった「ワゴンRシリーズ全体1万6000台」の数字だ。先代の5代目ワゴンRがデビューした2012年当時のニュースリリースを見返してみると、月間販売目標は同じく1万6000台。ただ、同じ数字目標を掲げるには、当時と今では状況はあまりに異なっている。

従来の2つから3つの顔を持つことになった新型ワゴンR。販売台数の上乗せを狙っているのだろうか

初代デビュー当初のワゴンRは助手席側にしか後部ドアのないことや、当時としては珍しい背の高いボクシーなスタイルを採用。瞬く間に人気が高まり、軽自動車の車名別新車販売ランキングのトップクラスに長らく君臨してきた。

ところが、ここ最近は販売台数の縮小が続いている。2012年9月に登場した先代の6代目ワゴンRは初めて通年販売となった2013年こそ約18万6000台(同約1万5500台)と販売目標至近で推移したものの、2014年は17.5万台(同約1万4000台)へ低下した。さらに年を追うごとに販売台数は縮み、2016年は約8万1000台(同約6700台)とモデル末期だったとしても、発売当初に掲げた目標の半分にまで落ち込んでいた。

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