スズキ「新型ワゴンR」の高すぎる販売目標 月間1.6万台を本当に達成できるのか

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代わりに台頭したのはホンダ「N-BOX」、ダイハツ「タント」、日産自動車「デイズ ルークス」、スズキ「スペーシア」などがラインナップされる、スーパーハイトワゴンだ。子どもが車内で立てる高い室内高に、後部左右サイドドアはスライドタイプを採用するなど、現役子育て世代から見れば、リアサイドドアにヒンジ式ドアを採用するワゴンRのようなハイトワゴンに比べれば、圧倒的に使い勝手が高いことが人気の理由となっている。

2016年9月にデビューしたムーヴキャンバス。いまではムーヴ系の販売主力車種だが、未使用中古車もすでに流通している

現在、軽自動車市場ではN-BOXとタントが熾烈な車名別軽自動車販売ナンバー1争いを繰り広げている。2大スーパーハイトワゴンとワゴンRの2016年の販売台数の推移を比較すると、それぞれ2倍近いほど販売台数には大きな差が出ている。

ワゴンRのほか、ハイトワゴンでライバルとなるダイハツ「ムーヴ」とホンダ「N-WGN」の2016年の販売推移を見ても、ムーヴが後半に派生モデルとなる「ムーヴ キャンバス」を追加して、全体の台数が少し持ち上がり約8500台となった。キャンバスがムーヴシリーズのかなりのウエイトを占めていても、2大スーパーハイトワゴンには到底及ばない。かつてはワゴンRをメインに軽自動車販売の花形であったハイトワゴンだが、往時の勢いは完全に失っているといっていいだろう。

軽自動車販売ナンバー1のホンダN-BOX。今年夏にはフルモデルチェンジを予定している

そんな軽自動車市場で、7代目ワゴンRは再び月間1万6000台のヒットをたたきき出せるのか。2016年に軽自動車の車名別新車販売ランキングでトップに立ったN-BOXでさえ、月間平均販売は1万6000台に届いていないにもかかわらずだ。スズキには失礼な話になるが、どれだけ新型ワゴンRの出来がよく人気モデルとなったとしても、スーパーハイトワゴンが台頭している市場環境で、月間1万6000台をコンスタントに維持するのはかなりハードルが高い。

「行儀の悪い売り方」に戻る可能性も?

スズキがもし、無理をしてでもこの目標を達成しようと動くとしたら、自らが否定した悪習に戻る可能性もある。

思い起こされるのは2016年5月10日に行われた、スズキの決算会見。鈴木修会長が「行儀の悪い売り方」という発言をして話題となった。特に軽自動車で目立っている、「自社届け出(軽自動車は登録ではなく届け出になる)」の乱発による未使用中古車の大量発生を指しているものとされている。

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