ジャパネット髙田明「東日本大震災時の決断」 自粛ではなく社業でこそ貢献できる

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世の中にいくらよいものがあったとしても、それを知らない人にとってはないのと同じですよね。生産者側から言えば、いくらよいものを作っていても、それを伝えなければやはりないのと同じになってしまいます。それが26年間、ラジオ・テレビショッピングを続けてきた中で、私が強く思ったことでした。

「おさんぽジャパネット」で商品を発掘

日本にはまだまだあまり知られていない「すばらしいモノ」がたくさんあります。レギュラー番組引退後も出演している「おさんぽジャパネット」は、日本全国のすばらしいモノを探す旅です。

これまで、福井県・鯖江の薄さ2ミリの老眼鏡、青森のリンゴ、東日本大震災の後の気仙沼のおいしいサンマ、葛飾柴又の高級銀器、長崎県の五島うどん、私の故郷平戸のかまぼこ、宮崎県のうなぎなどを紹介してきました。

ただ、テレビショッピングするだけじゃないですよ。おさんぽしながら、製造工程を見学したり、職人さんたちにインタビューしたりして、じっくりその商品を紹介するのがメインの番組です。1時間番組の最後の15分だけ、テレビショッピングをするんです。

たとえば、昨年春には愛媛県を訪ねてきました。今治ってあるでしょう。タオルの町です。日本のシェアのどのくらいかご存じですか。約55%だそうです。街を歩いていたらですね、関西や関東からいろんな人が観光に来ているんですよ。そして声をかけてくださるんです。100人以上の方と握手しました。ハグされることもあるんですよ。おばあちゃんですけどね。幸せです。そんなふうに散歩をしながら、工場や工房に職人さんを訪ねて紹介したんです。

洗えば洗うほどふっくらと柔らかくなっていく今治のタオルを絶賛。「おさんぽ愛媛編」より(写真提供:ジャパネットたかた)

そのタオルがすごいんですよ。とにかく柔らかいんです。タオルは洗えば洗うほど硬くなっていくものですよね。ところが、今治のタオルは違います。洗えば洗うほどふっくらと柔らかくなっていくんです。そして吸水力が半端じゃない。1度使ったらもう他のタオルは使えません。そんなタオルなんです。

ですが、中国製などの安いタオルに押されて、まだまだ知られていません。それで今治を訪ねて、今治タオルの作り方の秘訣やこだわり、魅力を伺ってご紹介する番組を作ったんです。

ほかにも、日本にはまだまだ知られていないすばらしいモノがたくさんあるはずです。これからも隠れたすばらしいモノを探し出してご紹介する仕事を続けていくことができればうれしいです。

髙田 明 ジャパネットたかた創業者、A and Live代表取締役、V・ファーレン長崎代表取締役社長

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たかた あきら / AKIRA Takata

1948年長崎県平戸市生まれ。大阪経済大学卒業。阪村機械製作所に入社、入社2年目からヨーロッパに駐在し、機械営業の通訳に従事。74年平戸へUターンし、父親が経営していた「カメラのたかた」に入社。観光写真撮影販売から事業拡大し、86年に分離独立して株式会社たかたを設立、代表取締役に就任。90年からラジオショッピング、94年にはテレビショッピングに参入し、通信販売事業を本格的に展開。99年ジャパネットたかたに社名変更。2011、12年はテレビの販売不振で2期連続減収減益。2013年は、自らの進退を懸けて過去最高益更新の目標を掲げる。テレビに代わる商材の発掘、東京オフィス開設等々が奏功し、目標を達成。2015年1月、ジャパネットたかた社長の座を長男に譲り退任。同時にA and Liveを設立。2016年1月にはMCとしての番組出演も「卒業」。2017年サッカーJ2クラブチーム、V・ファーレン長崎代表取締役社長に就任。クラブの立て直し、再建に注力。2017年11月にJ1昇格を達成したが、2018年はJ2に降格。今季J1復帰を目指して奮闘中。

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