地下鉄を便利にする「東京メトロ」次の一手 ベンチャー企業から新たなアイデアを大募集

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「助けたいけど、声をかけるのがちょっと恥ずかしいし、断られることも心配だ」……。こんな心理に目をつけたのは、キュリオ株式会社。同社のヒット商品は、カギのような失くしやすいものにつけておく「Qrio Smart Tag」。USBメモリくらいの大きさで、ケータイを操作すれば音が鳴るのでカギのありかがわかり、逆に「Qrio Smart Tag」のボタンを押せばケータイが鳴るのでケータイのありかがわかる。この仕組みを使って体にハンディがある人、高齢者、外国人などが困った時のお助けシステムをつくろうというアイデアだ。

助けが必要な人に「Qrio Smart Tag」を渡し、困った時にボタンを押せば、近くにいるドナーと呼ばれるボランティアの人のスマホが鳴り、すぐに助けに行くことができる。「英語が堪能」「手話が得意」といった人にあらかじめドナーとして登録してもらう。親切にしたい気持ちをITで後押しすることで、駅の安全性・快適性がぐっと高まると期待できる。

ITで「おでかけ」を楽しく

あいさつする東京メトロ・奥義光社長(撮影:尾形文繁)

東京メトロの特徴は、都内の魅力的な繁華街のほとんどすべてにアクセスしていることだろう。その特徴を生かして「おでかけ」に着目したIT企業のひとつが、株式会社ローカスだ。同社の動画を簡単に編集できるテンプレートを使って東京メトロのデジタルサイネージを「おでかけ促進型メディア」として活用することを提案した。

たとえば「東京メトロ沿線の花見体験」といったテーマを定期的に決めて乗降客から動画を募集し、それをデジタルサイネージで配信すれば、興味をもった人が体験に行き、その体験を発信することで、さらにおでかけする人が増えるという好循環を生みだすことを狙っている。

一方、訪日外国人がどこで何をしているのかを解析する訪日外国人解析サービス「インバウンドインサイト」の開発・運用をしている株式会社ナイトレイは、東京メトロ沿線での訪日外国人の行動を分析することで、イベントなど新たな誘客施策の実施を提案した。

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