輸入車で大異変、VW「ゴルフ」が初の王座陥落

モデル別首位の座を奪ったのは小型車「MINI」

だがこの年をピークに、ゴルフの販売は頭打ちになる。そこに2015年9月に発覚したディーゼルエンジンの排ガス不正問題が追い討ちをかけた。VWは日本でディーゼル車を販売していなかったが、イメージの悪化が響いた。ただ不正問題の直接の影響は「2015年内で沈静化した」(VW日本法人広報)という。

では販売を落としたのはなぜか。デザインで個性が際立つミニとは異なり、ゴルフは他車との競争にさらされたのだ。独メルセデス・ベンツはここ数年で「Aクラス」など、ブランドでも比較的安価な小型車の販売を大幅に伸ばしたほか、BMWの「1シリーズ」も堅調だ。

多くの競合車に攻め込まれたゴルフ

一部改良されたフォルクスワーゲン「ゴルフ」(写真:Volkswagen)

国産車を見れば、ゴルフのステーションワゴンである「ゴルフ・ヴァリアント」と真っ向勝負する富士重工業(スバル)の「レヴォーグ」が人気を博した。また、昨年には主力の小型車「インプレッサ」も全面改良している。マツダの「アクセラ」もゴルフを脅かした。

VWも手をこまぬいてばかりではない。昨年ドイツ本国ではゴルフ現行モデルの一部改良版が発表された。これが今年日本でも発売される予定だ。エンジンの機能改善のほか、ヘッドライトに「流れるウィンカー」が採用されたり、アナログの計器類がすべてデジタルディスプレイに変わったりしている。

そのほか今年は、小型SUV「ティグアン」の全面改良や、小型車「アップ!」の一部改良版の投入も予定されている。過去2年の落ち込みから巻き返したい考えだ。

2016年の外国メーカー車の国内販売は29万5114台と2年ぶりに前年比プラスへと転じた。ミニだけでなく、ベンツやBMW、台数規模は小さいがジープやポルシェ、ルノー、スマートなど、過去最高の販売台数を更新したブランドが多く見られた。VWには以前ほどの勢いが見られないが、それだけ多様なブランドが育ってきたという証左なのかもしれない。

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