中核子会社が上場、勝負に出るサントリー 非上場を貫く戦略を転換。思惑どおりに成長できるのか。
利益の大半は海外で
サントリーHDやキリンHDなど日本勢も、ここ5~6年ほどは怒濤の勢いで海外へ進出。「豪州やニュージーランドのアルコール、飲料企業はほとんど日本勢に買収されている」(ディコスタ氏)ほどだ。その成果もあって、サントリーBFの場合、利益の大半を海外で稼ぐようになっている(図)。
今後も各社の成長には海外の拡大は必須。そのためには、新たな成長市場に地盤を築く現地企業との協業は欠かせない。
こうした中、日本勢だけでなく世界の食品・飲料大手が目下、熱い視線を注ぐのが東南アジアである。
同地域は人口約6億を擁するほか、08年時点で2億人程度だった年間可処分所得5000ドル以上の中間層は20年に4億人に膨らむと予想され(みずほ総合研究所調べ)、「飲料などパッケージ食品の浸透率はシンガポール以外の国では低く、今後の市場拡大余地は大きい」(消費財調査会社ユーロモニターのケルヴィン・チャン氏)。新興国の中でも、中国に比べて「政治的なリスクが低く、海外企業が事業をやりやすいのも魅力だ」(アバディーン・アセットマネジメントの投資マネジャー、クリス・ウォン氏)。
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