セブン、独り勝ちの秘密 消費者もメーカーも引き寄せる力

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セブンカフェは収益面で貢献大

セブンがこれほど粘り強く開発を続けてきたのは、日本のコーヒー市場が大きいからだ。全日本コーヒー協会によれば、日本では1週間に1人当たり10・7杯のコーヒーが飲まれる(中学生以上79歳以下、12年)。こうしたマーケットに差別化された商品を投入すれば、必ずシェアを取れる。「コーヒーチェーンでコーヒーを購入する客の約4割はテイクアウト。つまり、(コンビニに)席がなくても大丈夫」(鎌田常務)。

セブンカフェはただ売れているだけではない。缶コーヒーを購入する客は7対3で男性が多いがセブンカフェは男女ほぼ同数。その女性のうち、大半はこれまでセブンで缶コーヒーやチルドコーヒーを購入したことがない新しい顧客層だ。

またセブンカフェ購入者のうち2割がセブンカフェと一緒にサンドイッチや菓子パン、スイーツを買っていく。井阪隆一社長は「セブンカフェをきっかけに、セブンで朝食を調達するという、新しい使い方を提案できた」と話す。今後はコーヒーと一緒に買われる頻度の高い焼き菓子などの開発も強化する。

セブンカフェは収益面の貢献も大きい。原料やコーヒーマシンのコストを抑えているからだ。また1杯ずつ抽出する形式であるため、客がオーダーを間違えないかぎりロスは発生しない。そのうえ1日1店舗当たり40杯のラインが損益分岐点のところ、現状ではその倍以上に当たる80杯以上を売り上げている。

今週号の週刊東洋経済は「セブンの磁力」を特集。小売りの中で独り勝ちを続けるセブン。なぜ大量出店しても不採算店を出さないのか。なぜ一流メーカーと組んだ商品開発ができるのか。その秘密を探った。
週刊東洋経済編集部
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