伊豆に「豪華観光列車」を投入する東急の思惑 「水戸岡デザイン」は社長の希望だった!
ザ・ロイヤルエクスプレスは、伊豆急の観光列車リゾート21のうち、5本目として1993年に登場した「アルファ・リゾート21」を改造する。列車は8両編成で「国内を走る観光列車では最長の編成」(東急電鉄事業推進部・竹内智子統括部長)というゆとりが売りだ。
列車名は野本社長自らが決めたといい、デザインについても「名前を思いついたときに、これをデザインするのは水戸岡先生しかいないと、お忙しい中お願いした」(野本社長)という。
8両のうち、客席となるのは1・2・7・8号車の4両のみで、定員は約100人。先頭車の展望席のうち、8号車については「(本を置いた)ライブラリーにしたい」と水戸岡氏。反対側の先頭車である1号車はファミリー向けとして、子どもの遊び場なども設けたインテリアとする予定だ。
客席以外の車両については、4号車がキッチンカー、5・6号車が食堂車。6号車には「社長の希望で」(水戸岡氏)伊豆の新鮮なネタを使った寿司が楽しめるカウンターも設置するという。客席で食事を提供するのではなく、あえて食堂車を別に設けているのは、車内を移動することで一回の乗車でもさまざまな楽しみ方をしてもらうことが狙いだという。
最大の特徴は「マルチスペース」
そして、この列車の最大の特徴と位置付けられているのは3号車だ。
「マルチスペース」と名付けられたこの車両は、1両全体がフリースペースとなっており、ミニコンサートの開催や結婚式、ギャラリー、会食などさまざまな用途に使えるという。水戸岡氏が「ずっとやりたかったが、これまで実現しなかった」という車両だ。
「お祭りでも映画でもあらゆるものができる。そういった車両があることによって、列車ではなく街が動いているのと同じになる」と、水戸岡氏はマルチスペースを設ける意義について語る。
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