慶應幼稚舎出身女子がNY高男に振られたワケ 東京カレンダー「慶應内格差」<5>
ケントはNY高の中心的存在。NY高は男女仲が良く、パーティーにはNY高女子も必ずいた。
ブランド物の洋服にバッグ、NY高女子の見た目は派手で、遊びにかけるお金も尋常じゃない。縄張り意識の高いNY高女子は、ケントが連れてくる女の子に興味津々だ。
そして毎回聞かれるセリフ。
「ねーねー、2人ってさ、どういう関係なの?」ケントといると、初めての世界を見せてくれるようで楽しかった。正直怖いと思っていたNY高女子に対しても免疫がついてきた。
ーこれが好きっていう気持ちなのかな?ー
自問自答する早希子。それもそう。これまでの早希子は、飲み会にあれこれ顔を出す子でもなかったし、ケントの友達と仲良くすること自体がちょっとした背伸びだった。
一誠実な良輔、刺激的なケント…。ー
悶々とする早希子。そんな時、ちょうど「3S(沙羅、栞、早希子)」恒例のプチ旅行がやってきた。出張の多い沙羅。そして親のマイルが腐るほど余っている栞と早希子。3人は週末の予定さえ合えば、マイルを使って旅行をしていた。
ケントか、それとも良輔か
今回の行き先は沖縄。最後の夏を楽しもうと沙羅が企画してくれた。海ぶどうのパスタやゴーヤのピザ、沖縄の食材とイタリアンの面白い組み合わせに惹かれ、ディナーは『サルヴァトーレ クオモ&バール万座ビーチ』を迷わず予約。
夜風と波の音が混じる開放的な雰囲気に、カクテルもすすみ、気がつけば3人ともほろ酔いに。早希子は思い切って「3S」に打ち明けてみた。
「最近ね、ケントとよく会ってるの。でも、良輔にもこの間告白されて…」
「良輔、やっぱり早希子のこと好きだったんだ。実際、どう思ってるの?」という沙羅の切り返しに対して「友達としては一緒にいて楽だし、誠実でいい人なんだけど…」。
すると、栞が身も蓋もないことを言い出した。