日経平均は横ばい、「トランプラリー」一服 楽天株は「FCバルセロナ」効果不透明で下落
[東京 17日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は横ばいとなった。米ダウの下落や円高方向に振れた為替が重しとなり、序盤から売りが優勢の展開。午前中に日銀が初の指値オペを通告すると、日米金利差拡大への期待からドルが109円台を回復。
これを受け指数は動意付き一時プラスに転じたが、買いは続かず軟化した。後場は様子見ムードが強く小動きとなった。
TOPIXは小幅ながら6日続伸となった。米大統領選後に急ピッチな円安/株高が続いてきたが、市場からは「『トランプラリー』もさすがにスピード違反気味」(国内証券)との声も聞かれた。
メガバンクはそろって下落。東証1部銘柄の売買代金トップとなった三菱UFJ<8306.T>は一時4%安。三井住友<8316.T>は一時3%超安となった。業種別指数は証券が下落率トップ。保険、銀行など金融セクターがこれに続いた。
日銀の指値オペが通告された後、日経平均は切り返し一時21円高となったが、銀行株は弱含んだ。長期金利が低下したことで利ざや拡大の期待が後退。銀行業指数は前場中盤に日中安値を付けた。だが引けにかけては下げ幅を縮小した。
後場の日本株は小動き。安倍首相とトランプ次期米大統領との会談や、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が控えていることが見送り要因となった。
岡三証券シニアストラテジストの小川佳紀氏は「前日までの5営業日で日経平均は1600円以上の上昇となっており、これを考えれば底堅い動きとなった」と指摘。指値オペについては「結果的に長期金利の上昇が一服するなど、ある程度の効果はあった。ただ日本株には円安のプラス面と、銀行株の盛り上がりに水を差すマイナス面がある」とみる。
個別銘柄では大京<8840.T>が年初来高値を更新。17日付の日本経済新聞朝刊は、大京が2017年3月期から21年3月期まで累計した連結純利益のうち、50%を株主に還元する方針と報じ、材料視された。
半面、 楽天<4755.T>がさえない。同社は16日、スペインの名門サッカーチーム「FCバルセロナ」と4年間のパートナー契約を締結することで基本合意したと発表したが、「足元の利益への貢献や費用対効果については疑問が残る」(国内証券)との見方もあり、売りが優勢となった。
東証1部騰落数は、値上がり1069銘柄に対し、値下がりが772銘柄、変わらずが144銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 17862.63 +0.42
寄り付き 17766.61
安値/高値 17764.08─17884.06
TOPIX<.TOPX>
終値 1423.08 +1.43
寄り付き 1413.59
安値/高値 1412.71─1423.08
東証出来高(万株)237012
東証売買代金(億円) 24285.02
*見出しを修正しました。
(長田善行)
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