LIXIL、米最大の衛生陶器ブランドを買収 あの「アメリカンスタンダード」を傘下に
ただ、同社は経営的にはリーマンショック以前から厳しい状況が続いており、プライベート・エクイティファンドに買い取られて再建の対象とされてきた。
2009年にはドル箱のアジア事業のみ買収
資産内容の見直しの課程で2009年には、アメリカンスタンダードにとっては「ドル箱事業」(LIXILグループの藤森義明社長)とされたアジア事業をLIXILに売却。残った北米事業は別ファンドに転売され、人員削減、拠点統合などの大がかりなリストラを余儀なくされたようだ。
LIXILは2009年当時、北米事業も含めたアメリカンスタンダード全体の買収も検討した。しかし、「北米事業の資産内容がかなり毀損しており、提示された価格条件面では折り合えなかった」(藤森社長)ため、アジアでの営業権のみを買収する結果となった、という。
前2012年12月期のアメリカンスタンダードの連結売上高は約820億円。営業損益は約26億円の黒字だが、最終損益は9億円以上の赤字に終わった。「円換算で約200億円相当の負債があり、10%近い金利負担が重荷」(藤森社長)となっているもよう。
ただ、北米の住宅市場は緩やかながら回復基調にあり、LIXIL傘下入りで財務内容の改善が進めば、損益も早期に黒字化できそうだ。「今後は日本の自動化技術を現地工場に援用することで、生産性や歩留まりを高められる余地もある」と藤森社長は説明する。
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