くら寿司が惨敗した「牛丼」に再挑戦するワケ あの専業チェーンにも勝てるこれだけの根拠
「すしやのシャリカレー」「シャリコーラ」など、回転寿司らしからぬ斬新なサイドメニューを相次いで開発してきた回転寿司チェーン「くら寿司」が、今度は庶民の味として人気のある牛丼を投入した。
くら寿司を運営するくらコーポレーションは11月4日、「牛丼を超えた、『牛丼』」の販売を開始。価格は税込み399円。米国産のバラ肉と国産のタマネギを使用し、だしにはサバやカタクチイワシなど青魚を中心とした7種類の魚介だしに、しょうゆやみりん、酒などを混ぜ合わせ、すき焼きのような甘めの味に仕上げた。
「牛丼専門店にも負けないクオリティで、新たな市場を開拓する」。2日に行われた記者会見の席上、くらコーポの田中信副社長はそう強調した。魚が苦手な顧客など新しい客層を取り込むことによって店頭の回転率を上げる狙いだ。
4年前の参入では散々だった
あまり知られていないが、実はくら寿司は4年前、牛丼を販売した過去がある。九州エリアの店舗でテスト販売したところ、日ごろ扱っている寿司ネタとは勝手が違い、牛肉とタマネギの盛り付け分量が顧客ごとに違うなど、オペレーション面で失敗。味についても圧倒的な支持を得るまでにいたらず、わずか3カ月程度で撤退するという、散々な結果に終わった。
同じ轍を踏むまいと、今回の牛丼再挑戦に際し、くら寿司は年月をかけて入念に準備をしてきた。特にこだわった点は大きく2つある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら