半数以上が「赤字」、三セク鉄道の厳しい現状

都市部の路線は建設費で巨額累損

それでは沿線人口が多い都市型路線は安泰かというと、必ずしもそうとは言えない。

63社中営業収入トップは、2005年8月開業のつくばエクスプレスを運行している首都圏新都市鉄道だ。420億円の営業収入は、2位の東京臨海高速鉄道(りんかい線)の200億円を大きく上回り、経常利益51億円、最終利益37億円も断トツ。利益剰余金のマイナスは59億円だが、この利益水準なら2年以内にプラスに転じるはずだ。

これに対し、営業収入164億円で、東京臨海高速鉄道を上回る41億7100万円の経常利益、27億6100万円の最終利益を計上している北総鉄道は、1979年3月の開業からすでに36年が経過しているが、利益剰余金のマイナスはいまだに149億円ある。直近の最終利益の水準でプラスに転換するまでに、あと5年以上かかる。

東京臨海高速鉄道も経常利益33億7700万円、最終利益26億6100万円を計上しているが、利益剰余金のマイナスは459億7000万円で、プラスに転じるには計算上17年かかる。291億円の利益剰余金マイナスの名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)は、最終利益がわずか1億円。このペースのままだと、プラスに転じるのは計算上290年後だ。

さらに、営業収入156億円、経常利益27億8800万円、最終利益18億2200万円の東葉高速鉄道は利益剰余金のマイナスが787億円に上り、しかも194億円の債務超過状態。債務超過は同社以外では旧国鉄転換型の樽見鉄道(岐阜県)と、広島高速鉄道(広島県)のみだ。

あの「みなとみらい線」も赤字

都市型20社のうち、利益剰余金マイナスとなっているのは11社で、このうち経常損益、最終損益ともに赤字なのは仙台空港鉄道と横浜高速鉄道、北九州高速鉄道(北九州モノレール)の3社。北九州高速鉄道の利益剰余金マイナスは3億3400万円だが、仙台空港鉄道は71億円、横浜高速鉄道は124億円と巨額だ。

横浜高速鉄道は横浜駅-元町・中華街駅を結ぶみなとみらい線の運行会社。首都圏屈指のドル箱路線・東急東横線と直通運転をしているが、2004年2月の開業から10年以上が経過しているのに、いまだに単年度でも黒字転換できていない。莫大な建設費で巨額の負債を負い、年間50億円を超える償却費負担と、約18億円の金利負担が利益を圧迫しているためだ。

キャッシュフローは確保できているので、借入金の返済は順調に進んでおり、中期計画では今年度に営業利益、経常利益ともに黒字転換し、償却負担が減ってくる来期以降は黒字幅が徐々に拡大していく計画になっているが、利益剰余金がプラスに転じるには、まだ10数年の歳月がかかるだろう。

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