トヨタ外国人副社長が吠えた「上司と戦え!」 豊田章男社長もほれたフランス人の出世術

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トヨタ入社後はフランスの工場建設に携わり、赤字続きだった欧州事業の立て直しに奔走。ゴーン流のコストカットはやらないと決め、損失を限定しながら土台を造ることに専念した。

一方で、「役に立たない仕事や付加価値を生まないものは切り捨てた」。数年で利益を出せるようになり、販売台数も増えていった。「(部下から)信用を得る方法はひとつ。よく聞いて確実に深く理解する。そして即座に行動する。さらに、複雑な問題を単純化する。それがボスの役割だ」という。

実績が認められ、2015年にトヨタ初となる外国人副社長に就任した。「日本の経験がない。日本語もしゃべれない」と豊田章男社長に伝えると、社長からは「分かっている。多くのエネルギーを生み出してくれればいい」と言われた。

ルロワ流のリーダーシップ術を披露

500人ほどの学生や大学関係者が集まった

フランスから日本へ。多くの反対を押し切りながら、トヨタへ転職し、副社長まで登り詰めた。そんなルロワ氏は学生たちに対し、リーダーシップに必要なことを紹介した。

「上司を喜ばせることを考えるな。上司と戦ってでも会社として正しいことをすべきだ」

「起業家として行動せよ。自分のおカネだったらどうする?」

「チームの模範となれ。自分ができないことはほかの人に期待するな」

「ファイティングスピリットを維持せよ」

「チームとつながり続けよ。上司と会うのに時間がかかるのはダメだ。私は24時間以内に会うようにしている」

「チームの行動を取れ。問題が起きたときに部下と一緒に問題を解く。自分が率先してやる姿勢を示す」

「コミットメントは必ず守れ。言い訳はするな」

ルロワ氏が身ぶり手ぶりで説明していると、真剣にメモを取る慶大生の姿が見られた。

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