中国資本で生まれる「純日本製アニメ」の正体 角川ゲームスが中国に仕掛ける「星娘」とは?

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10月14日に北京で開催されたアルファ社の発表会では大体的に「星娘」が取り上げられた

これから中国資本のゲームやアニメが広がるのだろうか――。

カドカワ傘下の角川ゲームスは10月14日、自社のスマートフォンゲーム「スターリーガールズ」を中国で配信すると発表した。同社は中国Alpha Games社(アルファ社)と4月に資本提携し、第三者割当増資により9.9%超の出資を受けている。アルファ社はスターリーガールズの中国での独占配信権を取得し、2017年に「星娘収蔵」として配信する予定だ。

さらに両社は製作委員会を組成し、アニメ化も進める。監督は「薄桜鬼」「イタズラなKiss」などを手掛けたヤマサキオサム氏が務め、2018年には中国でネット配信される予定だ。制作スタッフは全員が日本人で、"純日本製アニメ"となっている。アルファ社が事業展開を担当するが、中国以外の地域は角川ゲームスが担当するため、アニメ星娘が日本に逆輸入される可能性もありそうだ。

配信前から盛り上がる「スターリーガールズ」

スターリーガールズは年内配信予定の新作スマホゲームで、国内の配信・運営はアエリアが担当する。ゲームに登場する美少女キャラクターたちの声を、水樹奈々さんや上坂すみれさんなど人気声優たちが担当することで話題となっている。角川ゲームスは未上場だが、アエリアの株価はゲームの新作発表日以降、連日ストップ高を記録するなど配信前から注目を集めている。

角川ゲームスは「艦隊これくしょん(艦これ)」の開発会社で、ブラウザゲームについてはDMM.comがゲームを配信・配信している。「艦これ」は、第二次世界大戦時の日本の軍艦を美少女キャラクターに擬人化した「艦娘(かんむす)」を集め、強化しながらバトルを繰り広げるという設定で大ヒットをおさめた。今回のスターリーガールズでは、星を美少女キャラクターに擬人化した「スターリーガールズ、星娘(ほしむす)」たちが100人以上登場し、宇宙を旅しながらバトルを繰り広げる設定となっている。

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