日本株は「大きな転換点」にさしかかっている 相場の神様が語った「針の落ちる音」とは
注目の米国の9月雇用統計(非農業部門雇用者数)は前月比プラス15.6万人と、市場予想の17万人を下回った。失業率も5.0%へ悪化した。
ただ、失業率悪化は労働参加率の上昇が理由であり、賃金も上昇しているとして評価が分かれ、同日の米国株は「売り買い交錯」となった。今後は、現地時間9日の大統領選第2回候補者討論会の結果や、今週から始まる7~9月期の企業決算を見ながらの展開となる。
先週末の日経平均は、為替が103円台後半で安定していたこともあり、「雇用統計前かつ3連休前」の条件の下で、39円安はまずまずの動きだった。先週の日経平均は5日間で見れば「4勝1敗」で「通算410円高」という「予想外」の強さを示した。
「潮目の変化」か「絶好の売り場」かの結論が出る
残念ながら、その理由は国内事情ではなく、「意外」な原油高・円安に支えられたものだった。
特にドル円のレベルは、これから始まる第2四半期決算の様子を大きく変える。100円台にへばりついていた時には、下方修正続出の懸念が高まっていたが、円安方向に動いた現在では、105円位まで戻れば、今後について意外に穏やかな決算発表となると予想され、為替次第で景色が変わってくる。
そのドル円が、雇用統計の結果を踏まえて102円90銭台にまで戻っている。一時104円をつけた段階では、円安方向へのトレンド転換論まで台頭したが、この辺の空気も不安定だ。意外な強さを示した株式市場とは言え、出来高は盛り上がらず、投資家の不安感は払しょくされていない。潮目の変化か、またも絶好の売り場であったか、今週には結論が出るはずだ。今週の日経平均予想レンジ は1万6400円―1万7100円を予想する。
最後に、筆者周辺の海外(米国系)ファンド筋への直近の取材結果を報告する。日本株への見方は強弱分かれるが、意外にほとんどが本国米国株に対しては強気だ。
理由は「天井を打つ形が整っていない」とのことである。そして彼らが日本株投資で今最も注目しているのは、アベノミクスの成否や米大統領選や利上げ時ではなく、「意外」にもプーチン大統領の来日だ。日露接近で日本株買いになるのか、そしてこれが針の落ちる音になるか、耳をすませたい。
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