あなたの「退職金」は銀行に狙われている 50歳から少しでもおカネを増やす方法

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ここで「先日伺った現役時代のお話がとても素晴らしかったので、是非もう一度聞きたいと思い、お邪魔させていただきました」などと言えば、もう相手はイチコロだ。気分が良くなり、「この人は信頼できるからおカネを預けよう」と、どうもそう受け止めるらしい。「この方法を使えば、1000万円や2000万円の退職金を、預金口座から投資信託に移すのは、決して難しいことではない」と、私の知人である銀行の支店長経験者は言っている。

どんなタイプの投資信託を買わされるのだろうか。リタイア層にはだいたい毎月高分配型か、売れ筋のテーマ型ファンドが勧められる。

数百万の含み損、退職金が半分以下になることも

そして、もしマーケットが厳しい局面に直面したら、投資信託の基準価額は簡単に2割、3割程度、下落する。1000万円で購入した投資信託が2割目減りしたら、含み損の額は200万円だ。もちろん、長く保有するうちに元本が回復し、徐々に利益が乗っていけば良いが、流行ものファンドではそうならないケースもある。

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これはやや極端な例かもしれないが、ブラジルの株式を組み入れて運用する投資信託の中には、投資先通貨であるブラジルレアルの下落によって生じた為替差損の影響も含めると、運用開始時に比べて基準価額が60%以上も下落しているものさえある。

「長期投資が出来るなら、これから成長が期待される新興国に投資するのが一番です」などと言われて、退職金の一部ならまだしも、まるごとこの手のファンドを買った人は、今ごろ途方に暮れているはずだ。

定年前、そこそこの役職で退職した人は、ちょっとチヤホヤされると、かなり自尊心をくすぐられるのだろう。それこそが大きな落とし穴になる。

金融機関から言われるまま買った投資信託で損をしても、それは勉強代にも何にもならない。なぜなら、自分で何も考えていないからだ。大事な退職金を運用するなら、せめて自分で投資先を判断するべきだし、そのための基本的な資産運用の知識は身につけておかなければいけない。それが出来ないなら、残念だか預金のまま放置しておいた方が、はるかにマシだろう。

中野 晴啓 なかのアセットマネジメント社長

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なかの はるひろ / Haruhiro Nakano

1987年 クレディセゾン入社。2006年社内ベンチャーとしてセゾン投信設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任し、 2023年6月に退任。9月1日、なかのアセットマネジメント設立。趣味は歌舞伎鑑賞や鉄道など。

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