再生エネルギー、課題が山積み

認定増でも普及進まず 再生エネ「FIT」の課題

太陽光の認定は原発5基分

FIT導入から昨年12月末までに、政府から認定を受けた設備容量は、非住宅の太陽光が385万キロワットと全体の74%を占めた。FIT以前の導入量が約80万キロワットなので、その4倍以上の設備が認定を受けたことになる。件数も3万を超え、1000キロワット以上のメガソーラーも742件に及んだ。3月末には500万キロワットを突破する勢いだ。

500万キロワットというと原発約5基分となるが、あくまで最高出力であり、夜間や降雨時に発電しない太陽光の平均設備稼働率は約12%にすぎない。それでも急増である。

「FITの効果は絶大。これまでインセンティブが少なかった非住宅の需要が掘り出され、設備認可や申請数は予測を上回る勢い」と、太陽光発電協会の亀田正明技術部長兼広報部長は話す。同協会では最近、発電システムの施工・設計業者を中心に会員増加が顕著という。

当然ながら、太陽電池メーカーへの恩恵は大きい。昭和シェル石油傘下のソーラーフロンティアは、昨年までは6~7割に低迷していた工場稼働率が、今年1月からはフル生産になった。国内パネル価格が海外より4割高で高止まりする中、原材料のバーゲニングパワー拡大もあって採算も急改善。今年1~3月期は05年の創業以来初の黒字浮上(減価償却後ベース)となったようだ。

一方、発電業者は新規参入組が多く、現場では混乱も少なくない。「今後は設備認定の申請書類に、土地の借用書を加える必要があるかもしれない」と、資源エネルギー庁の村上敬亮・新エネルギー対策課長は話す。大型設備の認定を受けたが、土地の確保ができておらず、運転開始前にギブアップするケースも出ている。同一の土地を前提に3件の申請が出されたこともある。現状では、こうした場合も3件と認定されるため、「設備認定の数字は非常に波乱含み。どこまで運転開始につながるかは読めない」(村上課長)。実際、FIT導入以降の非住宅の運転開始はまだ20万キロワットにすぎない。

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