足元の米国株が激しく揺さぶられている理由 要人発言と経済指標が市場参加者を翻弄

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NYダウは要人発言に影響を受ける展開が続いた(写真:ロイター/アフロ)

足元の米国株が上下に揺れている。利上げに絡む要人発言と伸び悩む経済指標に対し、市場参加者は振り回されつつある。

8月下旬にイエレン米FRB議長が「追加利上げの条件は整ってきた」と述べた。しかし、8月ISM製造業景況指数、8月雇用統計が市場予想を下回ったうえ、ISM非製造業景況指数も6年ぶりの低水準にとどまり、年内の利上げ観測がいったん後退した。

9月9日、ボストン連銀総裁は利上げに前向きな姿勢を示すとともに「利上げを長く待ち過ぎると米経済は過熱する恐れがある」と指摘した。リスク回避の動きから、NYダウは400ドル近い大幅安となった。

米国株はまだ調整しきっていない

12日にブレイナードFRB理事が「インフレ目標の達成を重視する」と、追加利上げに慎重な姿勢を示したことから、足元の米国株はいったん反発している。そして13日~21日、米国ではFRB関係者が金融政策絡みのコメントができなくなる「ブラックアウト期間」に入る。米国株や為替も手掛かり材料難から一進一退の展開が想定される。

一方、テクニカル面からみると、NYダウは依然として長期投資家の売買コストとされる200日線(1万7568ドル:9月12日時点)を4%超上回っている。先週末にいったん大幅安となったとはいえ、高止まりが続いていたことから調整未了感も否めない。

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