前財務事務次官の勝氏、IIJ社長に 鈴木会長と“二人三脚"だが、手腕を不安視する声も
インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月28日、鈴木幸一社長が会長兼CEOに就任、特別顧問の勝栄二郎(かつ えいじろう)氏が社長兼COOに就く人事を発表した。6月の株主総会を経て正式に決定される予定だ。鈴木氏は引き続き事業全体を統括し、技術開発分野を主管する。勝氏は海外事業の強化などに取り組む。「勝さんと二人三脚でやっていく」(鈴木社長)。
IIJは法人向けを中心に、さまざまなネット環境を提供、最近ではクラウドサービスや海外展開にも本腰を入れている。同社は日本における商用インターネット接続の草分けで、鈴木社長はネット黎明期から業界を支えてきた「ご意見番」的な存在だ。
ドコモ超え、意識したが・・・
新たに社長を迎えるにあたり、鈴木社長は「IIJはネットを商用化するために設立した会社。技術革新によってNTTドコモなどの携帯電話会社より大きく成長できると考えていたが、そこまでは拡大できなかった。売上高は1000億円規模になったが、経営者としては忸怩たる思いがある」と話した。一方、会社が安定して経営できる状況になったことで、「もう一度、世界のインターネットのイニシアティブをとれるよう、技術革新でリードしていく」と決意を語った。勝氏に関しては、「技術屋でない発想で会社や業界を発展させて欲しい」と期待を寄せている。
今回、社長に就任する勝氏は、1975年に大蔵省に入省し、その後財務事務次官を経験した官僚出身だ。昨年8月に退官し、11月にはIIJに特別顧問として入社している。「始めて会ったのはいつか忘れてしまった。たまに酒を飲む関係」(鈴木社長)という。
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