和製EVスポーツカー、大阪に見参 「トミーカイラZZ」のデザイン再現、4月に先行予約開始

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初年度は限定100台のみを販売

GLMは「KYOTO生産方式」と呼ぶ、モジュール構造化した車台(プラットフォーム)部分と、樹脂製のボディカウルとを別々に製造し組み立てる方式を取っている。実は国交省から認証を取得したのは、プラットフォーム部分だ。剛性、強度などの性能はプラットフォームのみで完結しており、バックミラーやナンバープレートなど必要部品さえ搭載すれば、ボディカウルがなくとも公道を走行できる。

つまり、GLMのプラットフォームを入手し、3Dプリンターなどを使ってボディカウルさえ作れば、だれでも自分だけの1台を持つことができる。ラジオ・コントロールカーのように、上にかぶせるカバーを変えれば、さまざまなバリエーションのクルマを楽しむことも可能。これはまさにクリス・アンダーソンが語る「MAKERS(メイカーズ)」の世界そのものだ。

GLMではEVメーカーとしてピュアスポーツカーを製造・販売すると同時に、プラットフォームだけも外販する、ユニークなビジネスモデルを描いている。実際、国内認証を取ったことを公表してから、中国の市政府や海外の中小車メーカー、大手IT企業から、車台だけでも売ってもらえないかという引き合いが殺到しているという。

ただ、初年度である2013年度は完成車限定で100台だけを生産し、売り切る予定だ。生産能力としては600台以上のキャパはあるが、「最初から無理はできませんよ」と小間社長。あくまで控えめにスタートする構えだが、その将来は刮目に値する。

(撮影:ヒラオカスタジオ)

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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