エイベックスは、このまま行くとダメになる 松浦社長「いつの頃か大企業病になっていた」

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松浦:僕がどんな人間なのか、ということは伝わったと思います。僕のことをネットでみるとよくわからない人になっているし、いったい何者なのか、という見方があったんだと思います。アナリストもそう思っていたはずなので、直接説明をするべきでした。

山田:今回の変革を成功させるカギはなんでしょうか。

若い社員にチャンスを回すようにしたい

松浦:人ですね。ほんとにガラッと変えないといけない。今のエイベックスは昔からの会社みたいに、部長がいて課長がいる組織。このままだと若い社員に全然チャンスが回ってこない。少子高齢化で人数が減っているとはいっても、そもそもこのビジネスって若い人が盛り上がって初めて全体が盛り上がるものです。なるべく若いほうに若いほうに移していきたい。

ただ、これまでの30年間で会社は急成長して、猫の手も借りたいという思いでさまざまな人が入ってきました。ですが、これから新たな制度を作るにあたっては、年長者であっても実力がなければさまざまなプロジェクトにも入れないということがありうると思います。

とにかく若い社員にチャンスをあげないと、ほんとに頭のいいやつは辞めますよね。ここにいても上が詰まっていたらしょうがないって思って当然です。いま若手の社員とよく会って話をするんですが、不満が「うわーっ」て来るわけですよ。でもちゃんと聞いて答えてあげれば、それなりに収まるところもある。みんな思いを言う場所がなかったんですね。

山田:グーグルでは毎週金曜日の午後、全世界の社員とトップがビデオカンファレンスを通じて直接対話するそうです。不満があればどんどん言え、と。

松浦:アメリカ人だったらすごい意見がいろいろ出てくるでしょうね。下からも平気で突き上げをすると思うし。

そういうことをやろうっていう案もありました。でも社員が多すぎて全員を集めた朝礼みたいなことができない。上から下へのメッセージというのは本当に伝わらなくなっているんですよ。

これは僕の責任でもある。自分がいなくても会社がまわるようにしよう、と考えていた時期もあったので。なるべく社員と会わないようにしていた時期もある。ですが、完全に変えました。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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