ポケモンGOはローカル線の旅を活性化する

地方交通機関の「新たな誘客手段」に

実際に都心部でバスに乗ってみると、信号などでの停車が多いこともあり、道路沿いに設定されたポケストップでのアイテム取得や、ポケモンの捕獲もある程度可能だ。そこで、ポケモンGOをバスの利用促進に役立てようという試みも現れている。

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高速バスや路線バスが発着する伊那バスターミナル。ポケストップにもなっていた(記者撮影)

長野県伊那市のバス会社、伊那バスでは、同市内を循環する路線バス「イーナちゃんバス」の沿線にあるポケストップの場所を描いた地図をバスターミナルに掲出している。地元メディアが報じたことで、ネット上でも話題になった。同社によると、ポケストップが路線沿いに多数あることをポケモン好きの社員が見つけ、実際に沿線を周って確認したという。

現地を訪れてみると、JR飯田線伊那市駅の近くにあるバスターミナル自体もポケストップだ。循環バスは一周約40分、大人150円で市街地を回る。発車するとさっそくモンスターが出現。ルート上では種田山頭火の歌碑や伊那谷を中心に活動した俳人、井上井月(せいげつ)の句碑などもポケストップとして発見することができた。バス路線沿線の公園内などにもポケストップが複数あった。

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伊那市街地を走る路線バス(筆者撮影)

同社の担当者は「(ポケモンGOは)クルマを運転しながらではできないゲーム。夏休みの時期でもあり、こういった機会に普段は乗らない路線バスに乗って、今まで知らなかった市内のスポットなどを見てもらえれば」と話す。

実際にバスの利用者は多少増えているが、一般的に夏休みシーズンは他の時期よりも乗客がやや多くなるため「ポケモン効果かどうかはわからない」という。

海外では積極的にPR

国内ではこのほか、フェリー会社やタクシー会社などでポケモンGOを活かした取り組みを行っている例が見られる。だが、今のところ数はそれほど多くなさそうだ。

一方、海外の交通事業者では、ポケモンGOを積極的に乗客誘致に結びつけようという動きが各国で見られる。たとえば米ロサンゼルスで鉄道やバスを運行するロサンゼルス郡都市交通局(Metro)は、駅や車内に現れたポケモンやポケストップを紹介する専用のツイッターアカウントを開設。線路上などにポケモンが現れたツイートに対しては注意を促すメッセージを発信している。

また、ドイツメディアによると、同国デュッセルドルフの路面電車では、車内でポケモンのタマゴがふ化するようゆっくりしたスピードで走る、ポケモンGOプレーヤー向けの特別電車が運転されたという。英国のバス会社でもゲームのファン向けに、車内でWi-Fi接続や充電可能なUSBソケットを備えたバスが走る路線や、バスでのポケモン探しに使える一日乗車券などのPRを行っている。

このほか、ポケモンゲットを目的としたバスツアーの企画はさまざまな国の都市で見られ、ポケモンGOを誘客に活用する取り組みは各国で行われているようだ。

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