ポケモンGOはローカル線の旅を活性化する 地方交通機関の「新たな誘客手段」に

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国内でも、ポケモンGOと同じナイアンティック社が開発したスマートフォンゲーム「イングレス(Ingress)」では、本格的な交通機関とゲームのコラボが行われている。高速バス大手のウィラー・トラベルは7月下旬から、内外装をイングレスのイメージに改装した特別仕様のバス「NL-PRIME」の運行を東京周辺で始めた。

イングレスは、ポケモンGOと同様に位置情報を用いたゲームで、プレーヤーは2つの陣営のうちどちらかに属し、スマートフォンの地図上に表示される「ポータル」と呼ばれる拠点を取り合って陣地を広げていくという内容。世界中に熱心なファンが多いことで知られ、7月中旬に東京で開かれたイベントにも多くのファンが集まった。

「NL-PRIME」は、設定にSF的な要素の強い同ゲームの世界観をイメージしたバスで、窓のない車内にはディスプレイを設置した座席が並び、映像コンテンツなどが楽しめるほか、乗車するとゲーム内で使用できるメダルなどがもらえるという。現在は「ポータル」が数多くある東京駅や新宿駅周辺を周ってバス内でゲームが楽しめるコースや、地域活性化に同ゲームを活用している横須賀市へのコースなど5つのプランがあり、ウィラー・トラベルによると「7月の発表直後に同月分はすぐ売り切れた」という。

同社はイングレスとの提携について「移動によって地域の力を引き出し、地方創生を目指している当社と、いろいろな場所へ足を運ぶ、行ったことのない場所へ行って楽しむというイングレスの要素がマッチングした結果」(同社広報部)と説明する。

位置情報ゲームの可能性は広い

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マナーをも守らないと、ホームや路上での歩きスマホは危険がいっぱい(イラスト:koti / PIXTA)

「歩きスマホ」に代表されるマナーの問題だけでなく、外に出ていながら仮想空間を重ね合わせて遊ぶことに対する批判も見られるポケモンGO。だが、実際にスマホの画面を通して見慣れた街を見てみると、これまで気づかなかった祠(ほこら)や記念碑、建物などがポケストップとして現れ、それぞれに歴史や意味があることを改めて認識することも多い。

位置情報を使って現実世界を舞台に楽しむゲームには移動が欠かせないが、ポケモンGOでは一般的に交通機関に要求される「速さ」や「目的地へ最短距離で向かうこと」よりも、むしろ遅さや寄り道しながら動くことがメリットになる。地方の路線バスやローカル線などの集客に活用できそうな点だ。

そもそも都市部以外にはポケストップが少ない、ポケモンがなかなか出現しないといった点や、現在のブームがいつまで続くかなどの課題はある。だが、観光誘客に活かす取り組みが各地で進み始めた今、交通機関の活性化に向けてもポケモンGOを活用したさまざまな可能性が考えられそうだ。

小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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