トヨタ「86」は最新進化で何が変わったのか この運転の楽しさは現行トヨタ車No.1だ
新旧86の違いがわかるか
今年7月、2012年のデビュー以来初となるマイナーチェンジを受けた新型トヨタ 86。今回の進化のキモはどこにあるのか。富士スピードウェイ・ショートコースで試乗した。
富士スピードウェイのショートコースはせいぜい3速までのミニサーキットながら、地形を生かしてアップダウンしながら曲がるテクニカルサーキットである。クリッピングポイントが見えないコーナーが2カ所あるので、腕と度胸がいる。こちらは腕も度胸もない。路面はウェット。雨が降っている。そんなところを4ラップずつ、新旧の86でドライブする。それで違いがわかるのだろうか?
わかったのである。全然違った!後期型はものすごくよくなっていた。いっそう信頼できる練習機に仕立てられている。タイヤは新旧どれも215/45R17サイズの、ごくフツウのミシュランである。タイヤに頼らない、ということを開発方針のひとつにしているからだ。
最初に乗った旧型はリアが滑るのがわかった。リアが滑るので怖くて踏めない。おっかなびっくり運転しているせいもあるけれど、狙ったラインが微妙にズレる。
次に新型に乗り換えると、ボディの剛性感、しっかり感が明らかに違う。走りやすい。雨が弱くなって路面の状況が若干変わったのかもしれないけれど、旧型の時みたいにリアが滑らない。安定感がある。登りコーナーでも接地感がある。だから安心して踏める。