403年目で初の創業家以外の社長誕生 竹中工務店が33年ぶりの社長交代

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経営トップの刷新と同時に行われる機構改革は、当面、本社機能のスリム化と現場の人員増強、営業体制の見直しなどが中心となる。なかでも急を要する労務費問題解消のため、渡邊副会長を中心に職人の育成と、新技術の導入などによる現場の工数低減など、大幅なテコ入れを検討する。一方、大手各社が注目する海外事業は、12年には売上高の17%を占めるまでに成長している。創立40~50周年を迎える欧州、アジアの各拠点を中心に新規受注獲得を目指し、アメリカでのホテル経営などを含め安定的に20%前後を目指す。

これまで建築「作品」を重視し、とかく「点の事業」に目が向きがちだったが、開発畑出身の宮下社長は「国土強靭化やスマートシティなど環境エネルギー関連を視野に入れた広い意味での開発事業に力を入れていく。異業種とのコンソーシアムによって新しいビジョンを持った町づくりを創造していく」(宮下新社長)。PFI、再開発なども、リスク管理をきちんとしたうえで取り組む方針という。

400年の歴史で初

400年の歴史で初の創業家以外の社長誕生で「新たな企業文化創造」(竹中新会長)が期待されるが、宮下氏に特別な気負いはない。「堅実なるべしという創業以来の原点を忘れず、次の100年に向けて魅力ある「竹中」を創る」と静かな表情で語る。

小長 洋子 東洋経済 記者

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こなが ようこ / Yoko Konaga

バイオベンチャー・製薬担当。再生医療、受動喫煙問題にも関心。「バイオベンチャー列伝」シリーズ(週刊東洋経済eビジネス新書No.112、139、171、212)執筆。

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