相続税対策は大丈夫?アパート空室率が急増

神奈川県の賃貸アパートは3戸に1戸超が空室

国内の人口は減少しているが、総世帯数はまだ増えている。単身世帯が増えているためだ。ただ、国立社会保障・人口問題研究所は、世帯総数も2020年から減少に転じると推計する。

日本銀行はアパートなど貸家の入居戸数も20年をピークに減少を始めると推計する。そうなると、仮に貸家の総数が現状を維持するだけでも、空室は増加することになる。

そのような状況にあるにもかかわらず、「新築アパートが増えている最大の理由は増税の影響」と藤井氏は見る。

相続税の増税がきっかけ

相続税の増税が行われたのは2015年1月のこと。アパートを建築すると相続税対策になる。相続財産の評価は、現金で保有しているより、土地・建物に換えたほうが3割ほど低くなるうえに、賃貸に出せば、そこからさらに2〜3割下げられるからだ。

これらによる節税効果を狙ったアパート建築が急増。2015年の貸家着工数は前年比4.6%増の37.8万戸に達した。2年連続で減少した持ち家の着工数28.3万戸を10万戸近くも上回る水準となった。

通常、アパートの建築には半年ほどかかる。2015年1月の増税から半年経った2015年半ばごろからアパート供給が増え、空室率上昇が始まった。

こうした状況に対して、税理士の渡邊氏は、「相続税対策だけに目を奪われ、賃貸経営が成り立つかどうかを精査せずにアパートを建設するのは危険」と警告を発する。

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