楽天トラベル、韓国観光に見いだす活路

出遅れた海外旅行、HISなどに対抗

楽天トラベルとHISの収益構造は「真逆」

楽天の100%子会社である楽天トラベルの11年12月期の営業利益は106億円。楽天グループ全体の業績を示す連結決算(11年12月期)では営業利益が713億円だから、楽天トラベルの営業利益の占める割合は14.9%にもなる。

また、楽天トラベルの予約流通総額(同業他社の旅行売上高に相当)は3278億円であり、エイチ・アイ・エスの旅行売上高3700億円強に近い水準。楽天トラベルは国内部門、海外部門それぞれの収益を公表していないが、HISが海外:国内=約17:1の割合に対し、ほぼ真逆の構造と推定できる。

JTBやHISはその取扱高の大きさから、ツアーを含めた対韓国ビジネスを自社で完結できるが、楽天トラベルは単独で大量のツアー組成は難しい。

ソウル以外の地方都市への送客に照準

ただ、楽天トラベルは国内では個人客を中心にネット宿泊予約サイト首位の顧客基盤があり、これが韓国観光公社には魅力的に映る。ネット通販最大手の楽天のショッピングサイトも生かして旅行商品を販売してほしい韓国観光公社と、グループをあげて海外ビジネスに傾注する楽天の思惑が一致し、現在の蜜月関係を結実させた。

これまで訪韓日本人はソウル滞在が圧倒的だったが、「今後は他の地方都市へも送客を増やす。11年に釜山支店を開設したが、今年もここを中心に盛り上げる」(楽天トラベルの岡武公士社長)。

03年に「冬のソナタ」で韓流ブームに火がついて10周年、順天湾国際庭園博覧会の開催などもテーマに、日韓観光交流700万人を目指す日韓当局と歩調を合わせる戦略だ。
 

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