セブン、「そごう柏店」に続く閉店はあるか 「聖域を設けず」精査し、10月にも公表見通し

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主力店舗の西武池袋本店。第1四半期の売上高は前年同期比2.4%減だった(撮影:梅谷秀司)

足踏みした理由はいくつかある。

一つ目に挙げられるのが、百貨店のそごう・西武が苦戦したことだ。主要店舗である西武池袋本店の第1四半期売上高は448億円(前年同期比2.4%減)、そごう横浜店の売上高は260億円(同4.5%減)と、いずれもマイナスで着地。

株安や円高によって富裕層や訪日外国人の消費が減速し、収益性の高い婦人衣料や宝飾品の販売減が響いた。

そごう・西武の営業利益はわずか1300万円

その結果、広告宣伝費や水道光熱費を削減したものの、そごう・西武全体の第1四半期営業利益は1300万円にとどまり、前年同期の5.3億円から大幅減となった。そごう・西武の通期の営業利益計画は100億円。前期比35%増と大きな伸びを見込んでいるのだが、出足からつまずいた格好となった。

ニッセンの「通販カタログ」というビジネスモデルが、通用しなくなってきている

さらに苦しいのが通信販売事業だ。第1四半期の部門営業損益は29.9億円の赤字となった(前年同期は27.9億円の営業赤字)。

中でもグループ傘下のニッセンホールディングスの落ち込みが激しい。「ユニクロ」を中心としたファストファッションの台頭で、季節を先取りする通販カタログというビジネスモデルが通用しなくなっている。

ニッセンは2015年度から希望退職や、不採算の大型家具事業からの撤退など、さまざまな止血策を講じてきたが、目に見える効果は乏しい。ニッセンは8月上旬に第2四半期(2016年1~6月期)の決算発表を予定しており、それまでに一段と踏み込んだリストラ策や資本対策など、何らかの抜本策が発表される可能性が高い。

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