ネットの買い物で失敗する人の残念な思考 感情が先走ると冷静な判断はできない

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③ 自己啓発セミナーやノウハウなどの無形商品を購入

「あなただけに教えます」などというキャッチフレーズに引っかかって、DVDや有料コンテンツを購入してみたら「期待と全然違った」というケースです。現状の自分を変えたいと強く思っている人が引っかかりやすいです。サービス内容となる役務の提供と範囲を確認するだけではなく、返金保障の有効性などにも気を払うのが望ましいです。

冷静な判断が必要

④ 趣味嗜好性が高い商品を購入

多少おカネを出しても欲しいという気持ちから、失敗するケースがあります。42歳の会社員Oさんの失敗例をご紹介しましょう。

Oさんの趣味は自動車レースの最高峰「F1」。ネットオークションも積極的に利用しているマニアです。Oさんにはどうしても欲しかったのにこれまで落札できなかったフェルナンド・アロンソのヘルメットがありました。そのヘルメットがネットオークションに出品されたのです。Oさんはこのオークションに入札。数日後、出品者から次のようなメールが届きました。

ヘルメット◆F1 アロンソSサイズ◆を出品した●●と申します。今回のオークションですが、落札者様のご都合でキャンセルとなりました。運悪く事故を起こされてしまったそうです。その事情を踏まえた上でオークションは通常通り終了し減点評価なしで処理することにしました。
もし、まだお探しでしたらお譲りさせていただきますのでご検討いただければ幸いです。他の参加者様にもご連絡させていただいておりますのでお譲りは最初にご返信いただいた方にさせていただきます。ご連絡お待ちしております。お返事いただいた後の返信は遅くなります。ご了承くださいませ。

 

Oさんはこのメールにすぐ返信し、送金の手続きを取りましたが、商品は送られてきませんでした。記載されていた電話番号も不通になったのです。いわゆる詐欺でした。警察に被害届を提出しましたが、現金が戻ることはありませんでした。

『伝説の通販バイブル』(日本経済新聞社)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ネットオークションの掲示板以外の直接交渉で事故に遭遇した場合、その被害は誰からも補償されません。Oさんの場合は、自分がのめり込んでいるモノだったがゆえに、直接交渉に応じてしまったことに問題があります。

4つの購入パターンに共通するのは、感情が先走って客観的に判断が付きにくくなっている点にあります。失敗しないためには、衝動的に購入を決めるのではなく、少し時間を置く、具体的には「1日考えてみる」のがお薦めです。そうすれば冷静な判断によってトラブルやミスをかなり減らすことができます。

西村 公児 通販プロデューサー/ルーチェ代表取締役

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にしむら こうじ / Koji Nishimura

大手通信販売会社で債権回収・販売企画を担当した後化粧品メーカーのマーケティングに傾注し、20億円から100億円の5倍の成長過程を経験。その後、20年以上の実務経験を元に大手企業の実証済フレームをモデリングし、誰もが知る有名企業のヒット商品を多数変身させてきた。

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