三菱自、赤字1450億円で燃費不正に幕引き?

「費用はすべて計上した」発言に漂う不信感

営業利益面でも、国内の卸売台数減少分だけで200億円超の減益要因になる上に、値引きの原資となる販売対策費用もかさむ。また円高など為替環境の変化も570億円の減益要因と想定する。

さらに不正燃費関連の特損としては1500億円を見込む。軽ユーザーへの補償費用10万円など、総額500億円に加え、販売会社やサプライヤーや供給先である日産自動車への補償費用として1000億円を計上。これにより今期の純利益は1450億円の赤字に転落する見通しだ。

国交省の認定値と、三菱自の説明値に大きな乖離

具体的な補償費用の内容について、黒井義博常務執行役員は明言を避けた(撮影:風間仁一郎)

不正燃費に絡んだ費用については、今回の1500億円で「幅広くカバーできるように保守的に見積もっているので、これ以上、積み増すことはない」(黒井常務)という。

が、ユーザーへの補償費用500億円以外の、1000億円の内訳については「相手先の事情があるので、内訳の説明は勘弁してほしい」(同)と回答を避けた。

6月21日には、2次下請けの自動車部品加工会社、安藤工業所(岡山県倉敷市)が破産申請の準備に入ったことが報道されたが、この点については「しっかり対応していく」(同)と回答。サプライヤーに対しては7月初旬にも補償方針を説明する場を設けるが、販売店への説明は時期についても明確な回答はなかった。

今回の燃費不正の経緯について、十分な説明はなされていない。5月18日の説明では、「eKワゴン」の燃費訴求車の目標燃費が1リットル当たり26.4キロメートルら同29.2キロメートルへ5回目標が引き上げられ、「29キロメートルに目標を引き上げた時点ですでに無理があった」(中尾龍吾副社長)と説明していた。

ところが6月21日、国交省が発表した再測定の結果では、正しい燃費は1リットル当たり27.1キロメートルだった。三菱自側の「29キロメートルの時点で無理があった」という説明に対して、国交省が認定した燃費は大きく乖離している。

この点について、22日の決算会見では具体的な説明がなく、4月20日から5回にわたって説明してきた内容に、改めて不信感を抱かせることになっている。不正関連の費用について、会計上はメドがついたにせよ、その経緯をうやむやにしたまま幕引きを迎えることは、信頼回復への遠回りになる。

三菱自は6月24日、定時株主総会を開催する予定。日産との資本業務提携に加えて、燃費不正問題を追求されるのは必至だ。不正関連の費用にはケリをつけた形だが、はたして株主は納得させることはできるのか。

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