日本では乗れない!欧「格安」高速列車の凄さ パリ北~ブリュッセル間を乗車してみた

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手荷物は決められた大きさ2個までは無料。それ以上の大きなスーツケースなどを持ち込む場合は30ユーロの追加料金が必要となる。予約及び支払いは全てウェブ上で行って決済し、eチケットを乗車時に提示する。

両列車とも、発着駅は同じだがタリスがLGVヨーロッパ北線と呼ばれる高速線を全線で走行し、距離は312㎞。イージーは、リール近郊まで在来線を運行し、その先で高速線に合流する。

中間駅の停車はともになくノンストップだが、イージーは在来線を経由する分、約30㎞距離が長くなるうえ、最高速度が時速150㎞に制限されているので、タリスの所要時間がわずか1時間25分前後に対して、イージーは2時間10~30分と、約1時間前後長くかかる。また運行本数は5月現在、1日2往復(金・日は3往復)とタリスの約18往復と比べると少ない。乗車できるチャンスは限られてしまう。

実際の乗り心地はどうか

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横3列で快適なスタンダードXL(1等)席

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横4列のスタンダード(2等)席

5月上旬の平日、あらかじめ日本で予約したeチケットを持参してブリュッセルまで乗車してみた。

乗車するのはパリ北駅発、ブリュッセル南駅行き、11時34分発の列車だ。早めにパリ北駅に到着したが、すでにイージーは入線しており、そのホーム入口には行列ができていた。イージーの車両はフランス国鉄より2編成リース契約をしたTGV-Rを使用し、シンボルカラーの若草色と紫の塗装に変更している。

スタンダードXL(1等車)の指定席に座った。内装はシンボルカラーの若草色のシートにリノベーションされており、まだ新しく、座席配置は1+2席と広く中央に向かっての集団見合い式となっている。そのため中央は向合せで2人用、4人用のテーブル席となっている。リクライニングシートに足置き、読書灯、PC用電源も足元にあるが、Wi-Fi対応はしていないとのことだ。

列車は定刻に発車し、TGVやユーロスターのランディ車両基地脇を通過する。線路は複々線でRERなど近郊列車を追い抜いて行く。車掌が検札に来て、eチケットのQRコードを読み取っていった。

車内は揺れも少なく時速150㎞で快走する。時折、同乗している警察官らしき人物が2~3名で巡回にやってくる。

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