米FRB、政策金利の据え置きを決定 労働市場は再び力を増すとの予測
[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は15日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定した。ただ、労働市場は再び力強さを増すとの見方を示し、年内2回の利上げを実施するとの姿勢は維持した。
同時に公表した経済見通しでは2016年と17年の成長率予想が前回3月公表の見通しから下方修正されたほか、FRB当局者の金利見通しではメンバー17人のうち6人が年内の利上げ回数は1回にとどまると予想。前回は1回との予想を示したのは1人だけだった。
イエレンFRB議長はFOMC後の記者会見で「長期的に金利がどこに向かっているのか、われわれにはよく分からない」と述べ、次回7月の会合にも利上げが実施されるのか、より多くの経済指標が発表される9月会合までまで待つのか、手掛かりは示さなかった。
ただ労働市場については「最近の労働市場データが失望を誘う内容となったが、1─2カ月分の指標に過剰反応しないことが重要だ」とし、FRBは労働市場は引き続き力強さを増していくと予想していると指摘。また、英国が欧州連合(EU)を離脱すれば世界的な金融市場に影響が及ぶとし、英国によるEU離脱(ブレグジット)問題が今回のFOMCでの決定に影響を及ぼした要因の1つであったとの認識も示した。
今回のFOMCでの金利据え置きは予想通り。前回唯一反対票を投じたジョージ・カンザスシティー地区連銀総裁は今回は賛成に回り、全会一致での決定となった。
FOMC声明は「4月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降に入手した情報は、労働市場の改善ペースが鈍る一方で(the pase of improvement in the labor market has slowed)、経済活動の拡大は加速しているように見える(growth in economic activity appears to have picked up)ことを示している」と指摘。
ただ「失業率は低下したが、雇用の拡大は弱まった(job gains have diminished)」との認識も示された。
ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏は、「利下げせずに最大限のハト派姿勢を示した」と指摘。「カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁も反対票を撤回した。金利軌道の見通しが引き下げられ、大きなハト派シグナルとなった」と述べた。
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