日本の産業界は足元の天候悪化が鮮明

【産業天気図・12年10月~13年9月】

主要業種の天気予報図
(下線付き業種名をクリックすると詳細記事にジャンプします)
業種名 天気 天気概況
12年10~
13年3月期
(前半)
13年4月~
9月期
(後半)
建設 晴れ 晴れ リーマン後の大口不採算受注が足を引く大手もある一方、採算重視にシフトが進んだ建築系や超繁忙な土木関連では収益順調。ただ、生コン価格上昇や円安による輸入原油高懸念続く。人手不足も手伝って増収益も緩やか。
食品 曇り 曇り 12年夏、大豆など穀物価格が大暴騰、12年度後半から13年度にかけ国内に波及する。ただ、小売り各社の低価格競争が激しさを増す中、最終製品の値上げは困難。原材料高と販促費増加のダブルパンチで苦戦が続く。
紙・パルプ 雨 雨 震災被災工場の再稼働で供給力は復旧だが、国内需要が低調なうえ、折りからの円高で印刷・情報用紙などで輸入が増加。多くの製紙企業の今期業績は下振れに。来期も内需急回復は期待薄。ただ輸入の減速は見込まれる。
化学 雨 曇り 欧州景気の後退を発端にした中国経済の減速が響き化学品需要が落ち込む。市況軟調で採算も悪化。半導体や液晶など電子部材もスマホやタブレット端末向けを除いて動きが鈍く、本格的な回復は13年度後半になりそう。
化粧品・トイレタリー 曇り 曇り 紙製品、除湿剤といった比較的加工度の低い日用品は流通のPB品に押されぎみ。ただ、香りにこだわった柔軟剤など高価格品の伸長が続く。化粧品も百貨店ぶらんどは依然堅調で、両業界とも消費の2極化が進んでいる。
医薬 曇り 晴れ 大手は米国の特許切れから主力品販売が激減するなど環境は厳しい。国内の薬価引き下げも足元逆風だが、来期影響一巡。収益は各社一様でなく、新薬の伸びやM&Aに伴うのれん償却など個別事情によるところが大きい。
石油 曇り 曇り 原油価格反転上昇で12年後半から在庫評価損が減る。ただ製油所削減でもガソリン等の石油製品の需要低迷に追いつかず市況厳しい。石油化学も世界的景気減速を受け市況軟調。在庫評価損ない前提で横ばい確保が一杯。
ガラス・セメント 晴れ 晴れ 足元は円安による燃料費再騰と中国経済の減速感が懸念材料。ただ春以降、防災や復興を目的とした建設投資増加が追い風となり、工場の操業度向上が見込まれる。IT関連の製品群が底入れすれば「快晴」に向かいそう。
鉄鋼 雨 曇り エコカー補助金効果薄れ、自動車向けが弱含み。造船向けも縮小。建機向けは復調遅延。中国ミルの台頭などを受けて価格下落進み、各社で大幅減益。大手中心にコスト削減を急ぐが、13年度にかけても苦戦が続きそう。
非鉄 曇り 晴れ 精錬などの収益の足を引っ張ってきた金属価格の低迷だが、12年後半からようやく底入れムード。新興国減速による資源需給緩和で13年の加工賃は改善方向。13年度は電子材料なども復調が見込め、晴れに転じそう。
工作機械 曇り 曇り 製造業の海外シフト受け、国内受注は下げ止まらず。頼みの外需は旺盛な自動車需要を背景に北米では堅調続くも、中国や欧州は底ばい。13年度前半は最大市場の中国向け受注が徐々に上向きそう。欧州はいまだ足踏み。
建設機械 曇り 曇り 最大市場の中国の低迷に引きずられ、市場規模は縮小、さらに鉱山用の超大型機械も中国の資源需要の減速を受け、受注のキャンセルや延期が相次ぐ。再び成長軌道に入り、晴れに転じるのは13年度後半以降になりそう。
重電 晴れ 曇り FAや建機の後退はあっても、電力関連などの堅調で日立と三菱電機は高水準維持。東芝もNANDの価格下落とテレビ赤字拡大で若干後退するが、増益基調は不変。13年度もインフラ堅調だが、FAと半導体は不透明。
電子部品 曇り 曇り 自動車向け底堅い。スマホやタブレット端末向けは需要伸びるも価格競争が激化し、採算悪化。テレビなどAV機器向け需要が急減し痛打。PCはタブレット端末に押されるが、来春モデルあたりから徐々に底入れの気配。
家電・AV 雨 曇り 地デジ完全移行、エコポイントによる需要先食い影響で、テレビが冴えないまま。海外でもサムスン電子の躍進を止められず劣勢。ただし節電ブームで白モノやLED照明が伸びている。底入れから回復軌道へ向かいそう。
半導体 雨 曇り ルネサスが得意とする車載用半導体が減産影響で想定以下、産業用の停滞も響き逆風続く。民生用半導体は任天堂のゲーム機向けなどを除くと、PCやテレビ関連などが軒並み縮小。13年後半にかけて産業用を軸に改善。
自動車 晴れ 曇り タイの洪水影響脱し、主戦場の北米での自動車販売が想定以上に回復、タイやインドネシアなど新興国市場の成長も続き12年度後半は晴れ。ただ、13年度前半は国内販売の反動減、反日影響で中国市場の落ち込み響く。
造船・重機 曇り 曇り 重機大手も中国経済の減速影響が影落とす。需要冷え込む建機用の油圧機器を得意とする川崎重工、建機も手がける住友重機が影響。造船は好況時受注案件一巡、年度後半からは船価暴落後の案件が占め、採算悪化鮮明に。
精密 曇り 晴れ デジカメは震災やタイ洪水の影響から脱し、一眼レフ、ミラーレス堅調。が、スマホ普及の影響などで低価格帯のコンデジが想定以上に販売不振。複合機、プリンタは新興国向けが拡大基調だが、欧州向けの鈍化が痛い。
商社 曇り 曇り 中国の景気減速による鉄鋼原料価格の低下が想定を上回る。それぞれ原料炭、鉄鉱石に強い三菱商事、三井物産は期初純益見通しを大幅に減額、余裕で達成できそうなのは丸紅くらいに。来期も資源価格の急反発は望めず。
コンビニ・スーパー 雨 曇り スーパーは震災特需が消え、秋冬物衣料の出足も鈍調。ドラッグストアなど他業態の攻勢の影響も厳しい。NBの値下げを続けるが、効果は限定的。ただ消費増税に向け徐々に駆け込み需要が発生するのは短期的にプラス。
銀行 曇り 曇り 国内向け貸出残高の伸び悩み、預貸金利の縮小で、実質業務純益のマイナス傾向が続く。海外事業と国債売却益でカバーするが、本質的な収益改善には要時間。来春の円滑化法終了に伴う短期的な業績影響は少ない見込み。
証券 曇り 曇り 円高局面の是正を前提に、この先、経営環境がやや改善する期待感がある。しかし、世界的な証券規制強化があり、株式市況の抜本的な回復も見込みにくい。晴れ間は遠く、13年3月期の後半は、曇りのち雨となりそう。
損保 雨 曇り タイ洪水の保険金支払い一巡だが、今年度も春先から国内外で自然災害多発。火災保険の赤字続く。自動車保険も事故率高水準で値上げ浸透も途上。来期は自動車保険改善が進展。自然災害発生いかんだが、収益は改善へ。
鉄道・バス 晴れ 晴れ 定期利用は横ばいだが、定期外拡大。首都圏は東京スカイツリーや渋谷ヒカリエ、東京駅復元などで観光需要が発生、長距離も活況で新幹線を中心に伸びる。電力値上げによる費用増をこなし、京成、小田急などが最高益。
住宅・マンション 曇り 晴れ 世界経済の先行き不透明感から、1次取得者層を除くと需要は強くない。購入希望者の物件選別のハードルも上がり、大手優位の市場環境。ただ、消費増税前の駆け込み需要で、13年度前半は幾分盛り上がりをみせそう。
ソフトサービス 晴れ 晴れ リーマンショック後に縮小していた企業のIT投資が回復局面入り。取引先業界の浮沈で明暗分けるが、スマホ活用やクラウド化、ビッグデータ活用の動きも後押し。大規模な企業合併や再編の動きもプラスで増益組多い。
電力・ガス 土砂降り 土砂降り 電力は原発再稼働が13年夏以降に遅れ、代替火力燃料費の圧迫続く。原発比率が高く12年度大赤字の関電、九電は13年度から料金値上げだが黒字化不透明。ガスは電力向けや発電が伸び収益高水準。(天気図は電力)
海運 土砂降り 雨 自動車輸送船は、輸出台数が回復基調にある。だが、定期コンテナ船の運賃軟調が長期化している。さらに、新造船供給過多により鉄鉱石原料、穀物輸送などのバラ積み貨物船運賃が採算割れ水準で厳しい収益環境が続く。
空運 晴れ 晴れ 国内線は東日本大震災の影響が剥落。13年春より羽田空港の発着枠が増え、LCC(格安航空)各社も便数増やし、旅客数上向く。国際線でも、JAL、ANAが欧米の地方都市やアジアに新線積極開設し拡大の見通し。
情報・通信 晴れ 晴れ 携帯は堅調な推移に期待。スマホへの移行が加速しデータ通信収入は増加、音声収入も下げ止まり基調にある。一方の固定は競争がさらに激化。NTTは光回線の値引きを打ち出したが、KDDIなどの好調は続く見通し。
人材サービス 曇り 曇り 製造派遣・請負は中国デモの影響による自動車の減産や電機の不振で失速。ただし、顧客企業のリストラで代替需要増も。技術者派遣は稼働率高水準だが、派遣技術者数はピークよりかなり低い。事務系派遣も底打ち程度。
アパレル 曇り 曇り 前半は秋物の出足遅れたが、冬に重衣料が回復。賞与減、消費増税など逆風で消費は鈍るが、過度なセールを抑制し採算は維持。生産拠点のアセアンシフトや、自主企画商品(PB)の拡充など各社原価低減を進めしのぐ。
外食 雨 曇り 牛丼はコメ、牛肉価格の高騰が大打撃。震災の反動減や天候不順も傷手で外食各社は減益に転落。13年は食材価格反落が恩恵。ただ消費増税を見据えた節約志向続き、各社苦戦必須。居酒屋も低迷。業界再編の流れは加速。
放送広告 曇り 晴れ 前半は震災反動増からの揺り戻しや景気の先行き不安から、広告主の出稿意欲が低下。テレビスポット広告の回復が鈍化。後半は通信や自動車業界等が牽引しテレビ広告回復へ。BS放送やインターネット広告の拡大継続。

 

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