日本の産業界は足元の天候悪化が鮮明 【産業天気図・12年10月~13年9月】

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「晴れ」業種の数は13年4月~9月には11業種に増える。足元が「曇り」ながら、新年度に晴れそうなのが、住宅・マンション、医薬、非鉄、精密、放送広告の5業種。住宅・マンションは、消費税導入前の駆け込み需要が見込めそう。医薬は薬価引き下げの影響が一巡、非鉄も金属価格の底打ちが期待される。

また、「曇り」は21業種に増える。これは、むしろ改善が多く、「雨」から「曇り」に改善が見込まれるのが、鉄鋼、化学、損保、コンビニ・スーパー、家電・AV、半導体、外食。いずれも「曇り」に持ち込むのがやっとともいえそうだ。

電力、海運、紙・パルプは苦戦続く

一方、「土砂降り」が続きそうなのが、電気・ガス。ガス会社は堅調が続くが、電力会社は原発再稼働の遅れにより代替火力燃料費の圧迫が続く。原発比率の高い電力大手では、来期も赤字が残りそうだ。

また、海運と紙・パルプも依然として雨模様。新造船の供給過多で船賃の低迷が続きそうな海運が厳しく、円高による印刷・情報用紙の輸入が増加している紙・パルプも内需の急回復が望みにくいため、雨が続きそうだ。

>>>次ページに主要業種の天気予報図

快晴=空前の活況で懸念材料なし。業界全体が増益へ
晴れ=主要各社が増益。懸念材料が消えれば「快晴」へ
曇り=市場環境や成長性に陰り。主要各社が収益横ばいか減益。
    回復か一段悪化か微妙
=競争激化や市場縮小で環境厳しく、主要各社が大減益か赤字
土砂降り=従来より業績見通しが悪化、回復のメドが立たない

 

 

次ページ注目の天気予報図
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