30代夫婦が、あえて産まない決断をした理由 2人で生きていくことが大切だ

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しかし、そう理解してくれる人ばかりでないのも事実。二人でいれば「こんなに仲がいいんだからお子さんも近そうね」と言われることもあり、最初はどう答えていいか解らなかった。そんなとき博は真奈美の顔を嬉しそうに見つめ「うちは二人家族なんです」と優しく相手に伝えてくれたのだ。

そして、真奈美が考えすぎてしまわないように「俺たちは俺たちだよ」と必ず声をかけてくれる。その優しさを素直に受け止められるのは、深い愛情を注いでくれる博のおかげだ。

二人で話し合う未来のこと

40代前でこんなことを話し合うのは早いかもしれないが、二人は老後の話もすでに進めている。どんなに健康を気遣っていても、突然の不幸が襲うことがなくはない。子供がいない真奈美と博は、いつかどちらかがひとりになってしまう。きちんと悲しいことも乗り越えられるように、こういった話し合いを設けている。

お互いにひとりになったときは気にせずパートナーを作ろうと掲げているが、真奈美は一生彼を愛し続けてしまうと思っている。博にそんな話をすれば「俺がいなくなって真奈美が寂しい思いをするのは嫌だ」と悲しい顔をさせるので秘密にしているが、きっと彼以上の人に出会うのは難しいだろう。

「好きな人が自分を好きになること自体が奇跡だと思うんです。さらに一生を共にできる。私は本当に幸せです」

眩しいくらいの笑顔を向けてくれる彼女がとても羨ましく感じる。これから先に困難がないとは言えないが、博は真奈美の手を取り明るい未来へ導いてくれるだろう。そんな二人の幸せを心から祈りたいと純粋に思えた。

「DINKS」という考え方は万人に理解されるものではない。よく思わない人がいるのも事実で、それを理解させることも正しいとは限らないだろう。しかし、こういった夫婦がいることもひとつの価値観として知ってほしい。決して彼女たちは遠慮することも、後ろめたくなる問題ではないのだから。

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