そういった人たちは、「私は戦略コンサルになりたいのです」とは言いますが、イメージだけが先行しており、自分にとっての意味合いを考えていないので、「なぜ」の部分や、自分の前後のキャリアや、今自分がやっていることをどうコンサルという仕事につなげるのか、又は何を成し遂げるべくコンサルになりたいのか、といった本質的な部分が欠落しているケースが大半です。したがって、「憧れはわかりましたが、ではそのためにご自身として今どんな準備をなさっていますか」などと訊くと、途端に黙ってしまうのです。
このあたり、イメージだけが先行し、リアルに自分にとっての意味合いを考えていないがゆえに、「なりたい自分→コンサル→今の自分」という逆算なりができておらず、その結果、リアルにコンサルという仕事を考えた際に、現在の自分の仕事の経験やスキルで足りない部分をどう補完するかという検証や準備、またはコンサルという仕事を通じて自分は何を成し遂げたいか、といった、より重要なイメージができていないわけです。
つまり、自分がやりたいことや、すべきことという視点がなく、コンサルというキーワードのみで、「やれば何かが発展するのでは」という漠然としたイメージで仕事を考えているのです。
「英語、外資、コンサル、IT」にありがち
数多くの人とキャリアの話をしてきましたが、私はキーワード転職の多い職種や分野は「英語、外資、コンサル、IT」だと思っています。toi ba laさんの場合は海外ということで、英語や外資に近いのかもしれません。
いずれにしても、こういった人は「英語を使った仕事がしたい」「外資系で働きたい」という「英語」や「外資」というキーワードのイメージだけはあるものの、より重要な自分自身のキャリア上の経験やスキルをどのように構築していくのか、その中で英語や外資の位置づけは?といったことがありません。
ある程度の全体を考え、その中のコンポーネントを考えるのではなく、点だけ見て全体を見ないので発展性がないのです。いや、発展させる視点がそもそも不在なのです。
たとえばある時期、とりわけ女性の間で流行った外資系というキーワード。「お仕事は何をされてますか?」「私は外資系です」などというトンチンカンなやり取りが方々で繰り広げられていましたね。外資系に入るから将来活躍できる人材になるのではなく、そこで何をするかによって将来が変わるわけです。そんなキーワードだけで自分が変われれば誰も苦労しません。
toi ba laさんも今回は「海外勤務×技術」というキーワードで考えてしまったがゆえに、本来ご自身が現時点でキャリア上成し遂げるべきことは何か、という重要な視点が抜けてしまっていたようです。厳しい言い方をすれば、そこには信念も芯もないわけです。
それではモチベーションも湧きませんし、学べるものも学べないでしょう。そしてそれでは時間の無駄以外の何物でもありません。そうでなく、そういったキーワードをすべて捨て、現在のご自身にとって成し遂げるべき本質論を考えてみてください。
海外で勤務するとか、英語がどうのというのは仕事をするうえでの手段や方法論であって目的ではありません。したがって目的部分をとことん考えたうえで、海外といったキーワードをどう絡めるか、という順番で考えることが重要です。目的部分がしっかりとしていれば、途中で立ち止まることはあっても迷うことはないでしょう。なにせそこには信念があるのですから。
toi ba laさんが聞こえのいいキーワードに惑わされず、本質的な仕事探しをし、理想とする仕事にたどり着けることを応援しております。
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