ドル110円前半、米国はここからどう出るか FOMC議事要旨のタカ派トーンを好感
[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の110円前半。前日公開された4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のタカ派なトーンを根拠に海外市場で形成されたドル高地合いを引き継いで、ドルが堅調な展開となったが、売りフローも見られ、一本調子の上昇にはならなかった。
午前の取引で、ドルは110.27円まで上伸したが、その後に109.93円まで反落した。「110円は多くの輸出企業の想定レートのためヘッジのドル売りや、節目110円を回復したことで戻り待ちしていた投資家からの『ヤレヤレの売り』が出やすい。こうした売りをこなさないと、上方向には向かいにくい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏)との指摘があった。
午後の取引では、欧州勢の参加に伴いドルが押し上げられたが、高値110.39円からは反落した。
市場では、4月のFOMC後に発表された声明文と議事要旨のトーンのギャップについて、様々な見方が出ていた。
声明文では、景気減速が強調され、インフレ率も目標を下回り続けていることが強調されていた。一方、議事要旨では、第1・四半期の減速から回復が見られ、インフレ率が目標の2%に近づけば、6月の利上げは可能であるとのトーンへと変化している。
「4月FOMCの時点では、ベネズエラの債務問題をめぐる不透明感や、シェール企業の借り換え問題などがあり、市場に米利上げを織り込ませ始めるには時期が悪かったのではないか。現在はそれらの問題も軟着陸したため、余裕がうかがわれる」(米金融機関)との意見が聞かれた。
また、「議事要旨の文面からは、利上げの意向が極めて強いことが伝わってくる」(国内銀)とされ、「利上げのタイミングが後ずれすれば、大統領選とのからみで利上げしにくくなるとの焦りもある」(同)という。
20日に仙台市で開幕する主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議では、円安を通じて景気・物価をテコ入れしたい日本に対する米国の出方に関心が集まっている。
ドル/円<JPY=> ユーロ/ドル<EUR=> ユーロ/円<EURJPY=>
午後3時現在 110.34/36 1.1206/10 123.66/70
午前9時現在 110.17/19 1.1218/22 123.60/64
NY午後5時 110.19/22 1.1215/17 123.58/62
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