参院選当落分析、愛知「民進王国」は守れるか 北信越・東海ブロックの見どころは?
静岡は定数2なので、自民党と民進党が候補を1名ずつ立てれば、それぞれ安定の勝利となる。まったくの無風区と言っていい。
愛知は定数が3から4に増員され、それに伴って公明党が15年ぶりに候補を擁立する。埼玉選挙区などでは自民党から公明党候補についての推薦問題が深刻だが、愛知選挙区では両党の間に摩擦は少ない。むしろ2名の公認候補を擁立する民進党との争いが中心になるだろう。もともと愛知は旧民社系の勢力が強く、「民主王国」と呼ばれていた。だが下野した後の2013年の参院選では、民主党(当時)は離党した谷岡郁子氏の後継を選任せず、大塚耕平氏のみを擁立。それでも自民党の後塵を拝している。
2010年の参院選で3位で当選した安井美沙子参院議員は、衆院10区に鞍替え。その代わりに公募候補の伊藤孝恵氏を擁立した。当初は推薦に留めていたが、公認に変えている。2014年の衆院選では15小選挙区のうち10選挙区を獲得した、その自信がかいま見える。
民進党の岡田克也代表の心境はいかに?
岡田克也民進党代表のおひざ元の三重。岡田代表にとって今回の選挙は悩ましいに違いない。代表として、おひざ元では絶対に負けられないが、芝博一参院議員は安泰ではないからだ。
2010年の参院選はさほど難しくなかった。芝氏は全国でもいち早く当確が打たれている。だが次回は大苦戦するだろう。「民主王国」とも言われた三重県だが、それは過去の話だ。5つある衆院の小選挙区のうち、1区、4区、5区の3つは自民党議員が占めている。
3年前の参院選では、現職の高橋千秋氏が落選した。現在の鈴木英敬知事は自民党系だ。2011年の知事選では民主党が応援した松田直久元津市長が及ばず、2015年の知事選では旧民主党は候補を立てることができなかった。
さらに次期参院選は、岡田氏にとって悩ましい要因がある。その理由は自民党が立てた山本佐知子氏の祖父が故・山本幸雄氏だからだ。第一次中曽根内閣で自治相を務めた山本幸雄氏は1990年、旧通産省官僚だった岡田氏を後継とした。岡田氏にとっていわば政界進出の足掛かりを与えてくれた人ともいえる。2007年2月の山本氏の死去に際し、岡田氏は「政治の世界で父親とも言うべき存在」とブログに綴っている。もちろん、迷いなく民進党候補の芝氏をバックアップするだろうが心中は複雑に違いない。
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