三菱自、日産から34%出資受け入れ 再建に「新しい血」 両社が12日の取締役会で決議する予定

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 5月12日、三菱自動車と日産自動車は、それぞれ取締役会を開き、資本業務提携を決めた。写真は日産カルロス・ゴーン社長(左)、三菱自動車・益子修社長(右)による合同記者会見の模様(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 12日 ロイター] - 三菱自動車<7211.T>と日産自動車<7201.T>は12日、それぞれ取締役会を開き、資本業務提携を決めた。複数の関係筋によると、日産が2000億円超を投じ、第三者割当増資を通じて三菱自株式34%を取得する見込み。燃費データ不正問題の発覚で業績悪化が避けられない三菱自は、不正問題を機に日産という「新しい血」を受け入れて再建を目指す。

2015年の世界販売台数は、日産と提携先の仏ルノー<RENA.PA>合計で約852万台。三菱自を加えると約959万台となり、約984万台で3位の米ゼネラル・モーターズ<GM.N>に次ぐ規模となる。首位のトヨタ自動車<7203.T>(約1015万台)、2位の独フォルクスワーゲン<VOWG_p.DE>(約993万台)の背中も見えてくる。

両社は午後4時に会見する。日産は出資により現在、筆頭株主の三菱重工業<7011.T>(約12.6%)を抜くほか、約3分の1の出資を占める三菱重、三菱商事<8058.T>、東京三菱UFJ銀行三菱グループ主要3社も上回る。ただ、関係筋の話では、今後も三菱グループ3社は三菱自株の保有を続け、日産が開発トップを送り込み、燃費不正の温床となった三菱自の開発部門の改革と強化を進める見通し。

両社はすでに軽自動車事業で協力関係にあるが、会社本体の資本関係はなかった。日産は今後、三菱自の立て直しを支援するほか、三菱自のブランド力がある東南アジアなどでの生産・販売、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の開発などで連携したい狙いがあるとみられる。

アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは「『コストカッター』と呼ばれる日産のカルロス・ゴーン社長の基本戦略はスケールメリット。その効果が期待される」と述べ、今回の資本業務提携は「両社にポジティブ」と評価。「タイやインドネシアなどでは三菱のシェアは日産より上で、存在感も大きい。一緒にできれば日産にとってプラス」と話す。また、日産は「燃費不正での補償額などを差し引いてもらい、実質的に安い投資で済むのではないか」とみる一方、「不正問題はまだ全容解明にはほど遠く、今後の問題の進展次第ではリスクもある」との見方を示した。

2011年には両社で軽自動車の企画開発を手掛ける折半出資の合弁会社を設立。三菱自の軽自動車「eKワゴン」「eKスペース」を、日産の「デイズ」「デイズルークス」として三菱自の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産・供給している。この軽4車種で三菱自の燃費データの不正が最初に確認されたが、不正の発覚は次期モデルの開発を担当する日産の指摘がきっかけだった。

*内容を追加します。

*写真を差し替えます。

(白木真紀 編集:宮崎大)

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