三菱自工、軽自動車以外でも燃費不正の疑い  一部は燃費最大15%悪化

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 5月11日、三菱自動車は、燃費不正問題に関する社内調査の結果を国土交通省に再報告した。写真は会見する益子修会長兼最高経営責任者、11日都内で撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 11日 ロイター] - 三菱自動車<7211.T>は11日、燃費不正に関する追加の調査結果を国土交通省に報告し、一部の車種で燃費が最大15%悪化することや3車種を除く全車種の燃費試験に法令違反の測定方法が採用されていたことを明らかにした。

追加報告の中で、同社は4月に公表した軽自動車4車種のほか、販売中の車種や販売を終了した車種でも正しく走行抵抗値を算出していなかったり、SUV(スポーツ用多目的車)「RVR」などで机上計算で算出したりした疑いがあるなどと説明した。

同社によると、正しい試験方法で測定されたのは「アウトランダーPHEV」「デリカD:5」「ミラージュ」の3車種。それ以外の6車種は違反した方法で測定されていたが、RVRを含め、正しい方法で燃費を計測しても差がなかったため、生産や販売を続ける。

報告後に国交省で会見した相川哲郎社長によると、同社は不正問題の全容解明後に役員報酬のカットを検討している。また、RVRを含む海外販売向け車両には燃費不正がないことを「確認済み」という。

今回の報告内容について、国交省は「全容解明にはかなり遠い」としており、三菱自は18日までにあらためて報告する。販売が終了した車については資料が保管されている10年間をさかのぼって調査するが、ヒアリングする人数が多いため調査に時間がかかっており、現時点でも不正に関与した人数など詳細が把握できていないという。

三菱自は4月26日に1回目の社内調査の結果を国交省に提出したが、同省は内容が不十分だとして5月11日までに再報告を指示していた。さらに、三菱自と同様の不正がないか他の自動車メーカーにも社内調査を指示、18日までに提出するよう要請している。

燃費試験データの測定方法については、道路運送車両法で1991年に「惰行法」で実施することを定めたが、三菱自ではほとんどの車種で「高速惰行法」と呼ぶ独自方法の使用が常態化していた。高速惰行法のほうが計測時間を短縮できることなどが背景にあるとみられる。また、「eKワゴン」「eKスペース」、日産向けの「デイズ」「デイズルークス」の軽4車種では、法令違反の方法で測定したデータをさらに意図的に操作して燃費試験を実施する国に提出し、燃費の性能を良く見せるように改ざんしていた。

 

(白木真紀 取材協力:宮崎亜巳 編集:吉瀬邦彦)

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