ファナック変貌、さらば「謎の黄色い王国」

取材拒否、HP削除など昔は閉鎖的だった

変わったのは体制面だけではない。最近は他社との提携によるオープン戦略も目立ち始めている。

今年4月、4社協同でIoT(モノのインターネット)プラットフォームを展開すると発表した(撮影:尾形文繁)

2015年7月に古河電気工業とレーザー加工機向け部品の合弁会社を設立したのに続き、今年4月18日にはネットワーク機器大手の米シスコシステムズ、FA(工場自動化)世界大手、人工知能ベンチャーとの協業を発表した。

4社が共同で提供するのは、工場内のロボットなど産業装置の温度や稼働状況のデータを解析し、効率的な稼働方法を発見したり、故障の予兆を検知したりするプラットフォームだ。データは世界中の工場で共有できる。

これまで、ファナックのシステムは自社製品向けに特化していたが、「プラットフォームをオープン化し競合他社製品と接続可能。数百億円単位のビジネスに育てたい」(稲葉新会長)と意気込む。

オープン戦略で業績回復なるか?

一方、足元の業績は厳しい。アイフォーン販売鈍化の影響で、製造を担当する中国企業向け特需が消失。主力のFA事業も中国景気の減速で底ばい状態。2017年3月期は新工場の投資負担も増え、営業益は1173億円と前期比でほぼ半減となる見通しだ。

「FAの低迷はしばらく続く」(稲葉新会長)逆境の中、オープン戦略は将来の成長軸として期待される。名実共にかつてのイメージを断ち切り、再成長へ道筋をつけられるか。ファナックの新体制は船出と同時に、明確な成果を求められることになる。

「週刊東洋経済」5月14日号<9日発売>「ニュース最前線04」を転載)

 

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