伝説の名物列車「ニコニコ超会議号」の一夜 初の東海道線経由で行く「寝台電車の旅」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
画像を拡大
乗客有志から贈られた、ニコニコ超会議号運行企画への「感謝状」を手にする向谷さん

向谷さんによると、今回の列車の企画は約1年前にスタート。過去にはブルートレインの客車を使用して大阪から北陸本線を経由して関東へ向かうルートでの運転はあったが、今回は関係各所の協力によってこれまでできなかった東海道本線経由での運行が実現したという。

これまでの超会議号では入ったことのなかったJR東海の区間に入ると、車内では「東海に入った!」と歓声が。ファンにとっては感慨深い出来事に違いない。

「僕らは、たまたま居合わせた人が仲良くなるというような夜行列車の旅の楽しみを経験した世代。初めて乗る人もリピーターの人も乗り合わせることで、そういう旅が実現していると思う」と向谷さん。583系寝台電車についても「この列車は乗っている世代が若いじゃないですか。3段の寝台やボックスシート、独特な天井の高さというのは、若い人にとっては非日常的なインパクトがあるのでは。そういう意味で鮮度の高いコンテンツになっていると思う」と語る。

「絆を生む列車」

朝食は小田原駅で積み込まれた、特製の包装紙がかかった「鯛めし」。列車は小田原から東海道貨物線に入り、新鶴見からは武蔵野(貨物)線を経由して府中本町を経由し西船橋へ、そして終点の海浜幕張へと向かう。珍しいルートを走ることもあって、車内は早朝から賑やかだ。線路際にもカメラを持った人や手を振る人々の姿が多く見られた。

列車は10時12分に「超会議」の会場である幕張メッセ最寄駅の海浜幕張に到着。「絆を生む列車ですね。乗れて幸せです」。今回が初参加という一人はこう語った。同じイベントに向かう、趣味を同じくする人々が乗り合わせ、一夜の盛り上がりを楽しむ「超会議号」。今回もさまざまな思い出やドラマが生まれたことだろう。

                        (写真は記者撮影)

小佐野 景寿 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事