伝説の名物列車「ニコニコ超会議号」の一夜 初の東海道線経由で行く「寝台電車の旅」
京都駅からの乗客を乗せ、列車は東海道本線を東へと向かう。車内では向谷さんや音楽ユニット「スーパーベルズ」の車掌DJ、野月貴弘さんらが車内検札へ。
乗客一人一人と会話を交わしながらの検札は全車を回るのに約1時間。動画サイトのイベントに向かう列車だけあって、車内では車窓風景や車内の様子を中継する人の姿も見られ、参加者は思い思いのスタイルで特別列車の旅を楽しむ。
兵庫県から参加した、今回が初めての乗車という30歳の男性は「今までも乗りたいと思っていたがチケットが取れず、今回初めて乗れた。最高の気分」と、同様に初参加だった近くの席の人々と談笑していた。
伝説の空間「5号車」
超会議号の中でも一種独特の雰囲気を放っているのが「5号車」だ。寝台にはNゲージ鉄道模型の線路が敷き詰められ、座席には鉄道関連のグッズや手作りの記念品などの数々が並ぶほか、ネットでの生中継を行う人やビール片手の人々で大賑わい。
この車両は「5号車友の会」と呼ばれる、超会議号運転開始当初から参加している人々が工夫を凝らして盛り上げているのだ。
「5号車友の会」が始まったのは、2012年に運転された最初の超会議号で、車内で鉄道模型を走らせたことがきっかけという。車内での模型運転は乗車した多くの人の注目を集め、そこから「友の会」が発足。毎年の超会議号で5号車は盛り上がりを見せているという。「主要メンバーは皆勤(5回連続参加)ですね」と、ハンドルネーム「高志の民」さんは語る。
超会議号のファンには名物となっている車両だけに、車内放送でも「大垣では5号車を切り離して美濃赤坂(支線の終点)まで回送いたします」との野月さんのアナウンスに乗客は爆笑。今回が初めての参加という男性は、5号車を訪れて「異次元の世界ですね。寝台車なのに個人の部屋のよう」と驚きながら楽しんだ様子。深夜0時すぎ、野月さんによる「寝ろ!」のアナウンスと同時に車内が消灯されてからも、しばらくの間車内は賑わい続けた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら