ソニー、「エレキ5年ぶり黒字化」でも残る心配 デバイス分野は赤字に転落

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2016年3月期の連結売上高は前年比1.3%減の8兆1057億円、営業利益は同4.2倍の2941億円だった。エレクトロニクス5分野合計では5年ぶりの営業黒字となった。最終損益は前年の1259億円の赤字から1477億円の黒字に転換。最終損益は、一時的な要因で黒字化した2013年3月期を除くと2008年3月期以来8年ぶりの黒字となる。

吉田副社長はこの背景について「ソニーのブランド商品が元気になってきた。チームでの商品力、販売力の強化がある程度の成果を出してきた」と分析した。

スマホは低成長前提に

だが、デバイス分野では286億円の営業赤字(前期は890億円の営業黒字)に転落、暗い影も落とした。

吉田副社長はイメージセンサーについて「需要を大きく読み違えた」と述べ、本格的な需要の回復は2016年度下期になると予想。スマートフォン市場については「低成長のステージに入ってきた」として、それを前提に事業を構築する必要があるとの認識を示した。

大規模な減損に追い込まれたカメラモジュールに関しては「あるべき事業規模を再検討している」ことを明らかにした。

 

(志田義寧 編集:山川薫)

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