渋谷の魅力は高まるか 商業ビルに乗り出す野村不動産
首都圏を中心に高級マンション「プラウド」シリーズを展開する野村不動産が、都市型商業施設の本格展開に乗り出した。「GEMS(ジェムズ)」のブランドで、首都圏主要駅周辺に、飲食や物販のテナントが入居する商業ビルを順次、展開していく。
第1弾となるのが10月23日、JR渋谷駅新南口前にオープンする「GEMS渋谷」(=下写真は全景=)である。渋谷初出店の6店舗を含む飲食9店、物販1店が入居する予定だ。
GEMS渋谷が立地するのは、JR渋谷駅の新南口から徒歩1分の場所。渋谷駅周辺の再開発事業によって、東急東横線が地下化した跡地に新たな街づくりが予定されているエリアだ。すでに周辺にはオフィスビルが林立し始めていて、周辺の渋谷3丁目と東1~3丁目を合わせると3.5万人のオフィスワーカーが存在する。
このうち、渋谷3丁目には2.4万人のワーカーが勤務しており、その数は八重洲1~2丁目や浜松町1~2丁目と同程度だという。しかし、飲食店の数はこれらの地域の約半分と圧倒的に少なく、昼時にはどの店舗もごった返し、宴会を催そうものなら、渋谷駅北側のセンター街にまで足を伸ばさないといけない状況だった。
そこで、野村不動産は「大人が気軽に普段使いでき、上質な食・時間・空間を楽しめる施設」をコンセプトに、リーズナブルな価格帯(客単価3500~4500円を想定)の飲食店9店を誘致した。このうち、海鮮和食の「渋三魚金」やホルモン焼の「ぐぅ」など4店舗が新築ビル初出店、九州料理の「神屋流 博多道場」や創作居酒屋「でんず食堂」など6店舗が渋谷初出店となる。いずれも「リーマンショック後も利益を上げてきた、成長力のある会社」(開発事業一部の中村泰士氏)だという。