中村芳夫 日本経済団体連合会 副会長・政治委員長 わたしの『自民党論』

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──国土強靭化法案については、従来型の公共事業主導という批判もあります。

公共事業だからと一概に批判するのではなく、中身をよく精査しなければならない。首都圏でも高速道路は古くなっている。こうした防災関係の社会資本充実は必要だ。当然、無駄な公共事業はいけないが、「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズではなく、国富という視点から中身を見ていく必要がある。

──自民党は、日銀による外債購入案を打ち出しています。

これまで日銀が既発国債を市場から購入する金融緩和政策を採っても、結局は銀行の当座預金残高が増えて、日銀におカネが戻ってくるだけだった。外債購入は金融緩和だけでなく為替政策にもなるため、自民党には日銀との連携を期待したい。

また規制改革も重要だ。介護、医療、教育分野などの規制を緩和し、内需を掘り起こさなければ、デフレ脱却への道のりは厳しいだろう。

──小選挙区制について、見直すべきとの声も出ています。

選挙制度を含めた国のあり方について、考えるべきタイミングに来ているのではないか。小選挙区制では、51%以上の票を獲得しないと勝てない。すると、どうしてもポピュリズム的な主張ばかりになる。その典型が民主党のマニフェストだ。社会保障・税の一体改革で、いったんマニフェストから離れた。しかし、再びマニフェストに忠実になると、全体の政策の整合性が取れなくなる。

小選挙区制はおカネがかからないことがメリットだが、国全体としてよかったのかは別問題だ。中選挙区制のほうが、国益に沿ったことを言う人が出る側面もある。

──政治資金のあり方については、どう考えますか。

経団連は政治資金にかかわることはやめたが、企業献金は続いている。本来、政党助成は税金ではなく、個人献金が理想的だ。しかし、課題は透明度をどう保つかにある。

(撮影:今井康一 週刊東洋経済2012年10月20日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


なかむら・よしお
経団連事務総長。1942年東京生まれ。慶応大大学院経済学研究科修了後、経団連(現・日本経団連)入局。常務理事、専務理事等を経て現職。

 

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