人工知能、ロボット、燃料電池、新薬、新素材――。画期的な技術は世の中の新しい流れをつくっていく。そこに欠かせないのが研究開発だ。製造業は研究開発なくして競争力を維持・向上できない。
東洋経済オンラインは上場企業の直近本決算における研究開発費を調べ、トップ500社をランキングにした。東洋経済オンラインとしては初めて集計したデータとなる。
小社刊の『会社四季報』(2016年春号が発売中)で集計したデータのほか、各社の財務諸表から現預金、有利子負債、利益剰余金も併載した。どんな会社が積極的に研究開発におカネをかけているのか、財務状況などと併せてご覧いただけるはずだ。
1位はトヨタ自動車で1兆0045億円。もはや説明は不要だが、日本で最も収益を稼ぐ、世界一の自動車メーカーだ。そのトヨタが年間に投じる研究開発費は唯一、1兆円を超えている。先端を走るハイブリッド車(HV)関連のほか、燃料電池、自動運転など取り組むべき課題も多く、それだけ巨額の費用を研究開発に投じている。
2~3位も大手自動車メーカーが続く
2位はホンダの6626億円、3位は日産自動車の5061億円と大手自動車メーカーが続いた。トヨタほどではないが、日本の自動車メーカーにはさまざまな分野での研究開発が求められ、それが世界で通用する基盤になっていることを示している。
上位を見ると自動車や電機、製薬などといった大手製造業の姿が目立つ。これらの中には業績が低迷している企業もあるが、将来に向けた種まきを地道に続けているということでもあり、世の中の流れを変えるような画期的な新技術を編み出すことで、意外に実を結んでくるようなこともありえるのかもしれない。
※記事配信当初のデータに誤りが見付かりましたので再集計したランキングデータを掲載します。関係者の皆様にお詫び申し上げます。(2016年4月27日追記)